☆創世記の新解釈☆  シュメール・ギリシャ神話による考察 -62ページ目
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○概括的序章
  
     ▽ 信仰的主題 ▽
 
正統派ユダヤ教徒にとって、ヘブライ聖書の持つ最大の主題(メッセージ)とは、簡単に述べれば、「神の律法は、遵守しなければならない」という事であろう。

もう少し詳しく言えば、「神を愛し、律法を守れば、神から恩恵を与えられ、反対に、律法を守らなければ、罰を与えられる」という事である。(私は、これを 信仰的主題 と呼ぶ)

この「信仰的主題」には、いわゆる「契約の思想」と言われるものが含まれており、律法を遵守することは、シナイにおいて、神とイスラエル民族との間で交された、契約に基づいていると思われている。

ところで、ヘブライ聖書は、ユダヤ教の正典であり、源泉である。それ故、ヘブライ聖書の主題は、ユダヤ教の主題でもあり、ユダヤ教にとって最も重要な思想でもある。だからこそ、ユダヤ教徒は、日夜、律法を必死に実行するのである。
そして、この「信仰的主題」は、モーセの登場以降、聖書のなかに頻繁に現れることになる。しかし、モーセの登場以前は、まだ、はっきりと述べられていない。なぜなら、モーセ以前には、律法は存在していなかったからである。(割礼を除いて)

                      

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「シュメール・ギリシャ神話による創世記の新解釈」  第1部・目次


●目次
 
○概括的序章
  
信仰的主題    1~
  
隠れた主題    2~
  
学者の努力    2~
  
シオファイル ミークの仮説    3~
 
聖書とシュメール神話の関係    5~

◆ 第1部
  
  序説      5~       *1

◇「カインは何故、鍛冶師を意味するのか?」ー 第1論文

  ケニ人仮説   7~
  
解説の基礎となるエピソード  8~   *2  *3
  
これらが総合的に主張する思想   11~
  
神と戦う者という観点から、各エピソードを考察  12~ Ж特1
  
☆注 エンキとアダムの同一視  17 18 19  *4 *5
  
ヤコブと鍛冶師との関連性   23~  *6 *7 *8 *9
  
聖書を貫く主題      29~










☆創世記の新解釈☆ *本書の内容*

  シュメール・ギリシャ神話による聖書の考察・理解

過去数百年、オリエント地域では、膨大な量の考古学的遺物が発掘されてきた。

それらの中でも、シュメール・アッカド文明に関連する、粘土板に記された文献は、非常に重要な意義を持つ。

それらの文献は、聖書の基本的主題についての、従来の考え方を、<根本的に変革する事>を、我々に要求している。

シュメール文明は、紀元前3000年紀において、既に二次式や幾何学を研究したり、高度な建築技術・冶金術・法律体系を擁する、驚くべき文明であった。

そして、その文明を受け継ぎ、発展させたのが、ギリシャ文明とヘブライ文化なのであった。

本書では、この様なシュメール・ギリシャ両文明の神話資料から、聖書の考察・類推を行い、基本的主題の解明に努めた。

その結果得られた基本的主題とは、「イスラエル=神と戦う者」という主題であった。・・・・・・・

ヤコブが、神と戦って、「イスラエル」に改名した事は、いったい何を意味するのか?

それを解明する鍵は、シュメール・ギリシャ神話に存在したのである。この鍵によってのみ、聖書の扉を開く事が出来るのである。

我々は、遂に、聖書の真の構造・主題を、実証的に解明する時期に到達したのである。

*本書では、<律法の意義>の再構築も試みている。



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