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【テスラ -11】

ケイのことばはとても意外なものだった。


「それはね。」

「それは?」

「テスラの考えによるものかもしれない。」

「えーっ! それってわざと泳がされてるってこと?」

「そう!僕たちの行動は、テスラにとって織り込み済みなんだろう。」

「なんのために?」

「まあ、いくつか目的は考えられるんだけど…。」

「例えばどんなこと?」

「クラゲたちってテスラにとっても未知の敵だと思う。

だって行動を読めていないから。

だから、人間の考え方を参考にしたいと思ってる。」

「そうなのね。テスラはもともと人間の考え方を学習して

それをとてつもない速度で実行することで

ヒトの頭脳を上回った。

でもお手本がないと歯が立たないのね。」

「そういうこと!彼らもすべてのヒトを消してはいけないと思ってるんだと思う。

テスラは、集合知のようなところがあって、

たとえば1万台のテスラが連携して動いているとしても、

すべてが同じ考えじゃないんだ。」

「うん、聞いたことあるわ。」

「考え方に、多数決原理を持たせるようなこともやっている。

だから内部では、賛成票が60で反対票が40のときもあるんだ。」

「じゃあ、ヒトを駆逐したのも賛成票だけじゃなくて

反対票もあったっていうことなのね。」

「そう、その反対票を投じたテスラは、ヒトを残す方に賛成した。

だから、僕たちが監視対象として残っている。」

「そうか!私たちの行動を見張って、

クラゲたちへの対抗策を考えようってわけね。」

「そう、であれば説明できる。」

「じゃあ、つぎにどうするの?」

「もちろん人間らしく反撃するんだ。」

ケイは、ちょっときりっとした表情でアンナのほうに向いた。

「わかったわ。ちょっと安心した。」

ケイは、コックピットのPCにむけてある指示をだした。

(続く)

【2015年2月記】





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