計画する上で要望に縛られることは当り前で、
どれだけそれらを咀嚼して計画・表現できるかが自分に求められていると思っています。
(極力エゴを押し付けるのではなく、くみ取って発展させていくようにしています。)
それでも、ある程度自由を与えられるとどうなるか。
そんな計画がありましたのでブログに上げたいと思います。
この計画は必要なボリュームが土地に入るかを検討する為に作られた、
実現する可能性が低いということから自由に提案してみようということで、
学生のころの課題のような感覚でプランしています。
違うのはちゃんと建築できることを考えているところでしょうか。
土地の形状に合う建物の形を模索するのはまずゾーニング計画から始まります。
この土地はあまりに歪な形をしていたのでゾーニングをする上で整形にしようとすると、
無駄なスペースができたり、はまらない部分ができたりします。
そこで整形にこだわらずに、動線を意識してそこに合わせてゾーンをつなげていく。
そうすると四角い形を円でくり抜いた形が作り上げられました。
これは平面での話です。
そこへ、内部で使われる空間がどう見えるかを考えていくと、
同心円に向いて中庭を臨める空間が必要と考えました。(自分の中での感覚ですが・・・)
つまりそのまま内部形状が建物の外に出てくることになります。
この建物の用途はクリニックなのですが、
診療台に座ったときに天井を見ていても面白くない、
変化があったらいいのにと単純に思いました。
そこから診療台を中庭(水盤)に向けて、
池を泳ぐ魚が天井に映ってみえたら面白いのではと考えました。
そこから外にできたカタチは、
何も無い状態からは、こういったものがいいと頼まれることも、
僕の中からもこういった形にしてみたらと初めから想像できない形になります。
円形の部分の軒の高さを揃えて屋根勾配を円形上に付けると、
直線の壁面ラインとの距離がそれぞれ違うのでせり上がったような屋根形状が生まれました。
内部空間をしっかり考えると、
外部はあまり考えなくても自然としっくりくる形状になることが多いです。
こういった提案が受け止められて、
少しでも検討が前向きに進んで頂けるとありがたいです。