再生可能エネルギーはビジネスとして大丈夫か? | JTT海外展開のブログ

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JTTは鉄鋼製品や機械を輸出する商社です。また海外進出する企業を支援する事業も行っています。社長の相田和宏は25年以上にわたり、中国、ベトナム、韓国、インド、ミャンマー等の企業と人と関わってきました。その異文化交流のエピソードや苦労話や最新情報をお伝えします。

次のような記事が出ていた。

経済産業省によると、買い取り対象となった設備の合計出力は、7月1日の制度開始から1カ月間で約56万7000キロワット。このうち4割をメガソーラー(大規模太陽光発電所)、2割を風力発電が占め、主戦場になっている。


固定的に買取価格を¥42/KWHであるが、これが以前のブログで指摘しているように高すぎる。

参入を促進するために、価格を高くたが、この根拠があいまいである。補助金や買取額が高くすると、欧州のように破綻する。

政府の財政が悪化している日本では、いつまでこの価格と補助が続くのか分からない。

民主党が打ち出した2030年代の原発ゼロも、環境変化が起きると見直しになる。韓国は電気が足りないので、逆に原発増設を推進するという。


自然再生エネルギーの比率を高めることが重要なことは十分承知している。だが無理な計画ではないのだろうか?


この事業に参入する企業も、ソフトバンクや大和ハウスに続いて、完全な異業種のユニチャームも参入する。遊んでいる土地に建てる、ビルの屋上や側面を利用するということは良い事である。

しかし、売電の経験も設備運営の経験もない企業が、「太陽の機嫌次第」という不確実性の高い事業で収益を上げられるのであろうか?


必要電力のベースも分からない。東電も関電もすべて今年は電力が足りないと言っていたのに、十分足りて、9月には「冷房を入れてください」と宣伝をしていた。

電気は貯められない。現状、日本で本当に必要な電力も正確には分からない。つまり本当の需要が分からず、さらに発電能力の実体もよく分からない。これは休止設備があるためである。

でも省エネ機器は日々進化して、工場、事務所、家庭の消費電力はどんどん減っていく。日本人に意識も節電に向かっており、毎日浪費をなくしている。


このような極めて不確定な世界では、明確な計画のもとに行動して、投資をしていく企業の組織にはあわないと考えている。


また政府を信じて事業を進めて大丈夫だろうか?民主、自民はコロコロ主張と政策が変わる。政府の大号令の元、彼等らが提唱した産業で成功した事業はあったのだろうか?


鉄道も無駄な投資を繰り返し、国鉄は破綻寸前に追い込まれ、民営化され再生したが、この借金は国民の負担となった。今はそのような余力は日本国にも国民にもない。

お上を信用して、進めてうまくいったことがいくつあるのだろうか。


投資の拠り所は、政府の買取価格と補助金、そして発電における自然エネルギーへの目標地である。

これをもとに各企業が投資している。取引先も会社は100億円も投資している。いつ回収できるのか?


異業種や中韓企業まで税金目当てで、発電企業に参入してきている。だが数年後価格見直しをされ、台風により設備を破壊され、お天気頼みなので、経営がうまくいかなかったらどうするのだろうか。


天気相手の商売は極めて危険である。穀物相場の上昇も、米国の干ばつが予想内であったので、落ち着いてきている。農業は品種改良によって、お天気頼みや害虫被害を防いできた。技術革新が農業をお天気頼みから少しづつ変えている。


でもソーラーは雨が降ったら機能しない。風力は風がないとダメな上、強すぎてもダメである。

発電効率が20%以下の事業、つまり2割バッターをどのように育成していくのか課題も多い。この分野の


技術革新には世界中で取り組んでいるが、あと10年以上はかかりそうである。

理由はまだ石油や天然ガスの方が安いからである。原発は地域対策費や核廃棄物処理のコストが分からないので、何ともいえない。


ただ言えるのは、あまり電気を消費しない生活に戻ることである。もともと電気は無くても、人は生きてきた。全くなくなると現代社会は生活できないが、ムダを減らすことと、電気を蓄える技術の開発、送電ロスの削減でも当面は対応できると思う。


10年後の世界はどうなっているのだろうか?少なくても10年前はスマートフォンが出てくるとは分かったいたが、ここまで世界を変えるとは思わなかった。「日々これ新たに」である。