マリーン・レイダースは、アメリカ海兵隊におけるアメリカ特殊作戦軍の傘下の組織。
海兵隊の特殊作戦を統括する。
USSOCOM設立後、海兵隊の特殊作戦はアメリカ海兵隊武装偵察部隊(Force Recon海兵隊では特殊部隊と公式には認めてはいない)がもっぱら担当していたが、2001年9月11日の同時多発テロ以降、増大するであろうテロの脅威へ対応するため、2006年2月24日、MARSOCはUSSOCOMの海兵隊部門として正式に創設された。
この日、ノースカロライナ州キャンプ・レジューン海兵隊基地にて創設式典が催されている。
海兵特殊作戦連隊(MSOR)
1個連隊に3個大隊編成で、軍属合わせて約2,742名(2018年時点)という規模となっている。
基本的には大隊(MSOB)と支援群(MSOSG)がセットになって運用される。
直接的な行動はMSOBが、兵站や支援砲撃、情報収集などはMSOSGが担当している。
ただし、特殊能力をもつユニットは切り離され、柔軟な「貸し借り」を行うこともある。
海兵特殊作戦中隊(MSOC)
1個大隊に4個編成された中隊(MSOC)は大隊の一部として行動する他、情報収集・通信・支援パッケージを追加された「Enabled MSOC(増強大隊)」となることもある。
「Enabled MSOC」には支援群から以下の能力を持つ中隊、ないしはチームが追加され、各地方軍司令官の指示のもと、独立して作戦行動をとることができる。
- ・爆発物処理(EOD)
- ・統合末端攻撃統制(JTAC)……航空支援・空挺降下の誘導
- ・多目的犬(MPC)……攻撃、爆発物の発見、追跡等
- ・指揮・統制・通信・コンピューターサポート(C4ST)……作戦用音声・動画・データネットワークの整備構築・維持など
- ・直接支援チーム(DST)
- あらゆるソースを元に情報を収集・分析し指揮官の判断をサポート。
- MARSOCは基本的に海外駐留経験者のみで構成されており、また独自の情報網をもっているためDSTはこの利点をフルに活用している。
- DSTはより小さなDSE(直接支援エレメント)に分割し、戦術レベルでの情報収集を行うこともできる。
海兵特殊作戦チーム(MSOT)
1個中隊に4個編成されたチー厶(MSOT)が14名で編成され、大尉×1、曹長×1、運用チーフ(一等軍曹)×1、通信チーフ(二等軍曹)×1、班長×2、副班長×2、班員×4、衛生要員×2で構成されている。
海兵特殊作戦支援群(MSOSG)
大隊をあらゆる面からサポートすることを任務としている。それぞれの特殊作戦大隊に対して、一つの支援群大隊(MSOSB)が支援を行うのが基本であるが、それぞれを構成する中隊は特殊作戦中隊や、あるいは他の支援群大隊に容易に組み入れることができる。
例えば、キャンプ・レジューン駐留の第に2支援群大隊には情報支援チームがないが、これは第3大隊と「兼用」になるためだ。
特殊作戦中隊を増強中隊とすべく、ユニットを切り離して中隊に同行させ、様々な作戦能力を与えることもある。
全員が同じ訓練・同等の能力をもつ特殊部隊ならではのフレキシブルさである。
海兵特殊作戦学校(MSOS)
海兵特殊作戦学校(MSOS)はMSORの人員の採用・教育を行う教育機関である他、MSORで用いられるすべての戦術・装備について、統合特殊作戦大学など外部の諸機関と連携して評価を行う研究機関である。
また、近年全軍の特殊部隊で行われているPOTFF(部隊員と家族の福祉向上のためのケア活動)を統括する機関でもある。