戦場の“猛禽類”武装ヘリ 総合火力演習に舞う 陸空協調の「エアランドバトル」 | 戦車兵のブログ

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アパッチは戦車からするとやばい相手だ。


しかし、アパッチだって無敵じゃない。


イラク戦争ではけっこう撃墜されていたからね。


以下産経ニュースより転載





 静岡県の東富士演習場で8月28日に実施された、陸上自衛隊による国内最大規模の実弾射撃訓練「富士総合火力演習」(総火演)。



演習のテーマは5年連続で「離島の防衛と奪回」とされた。



前回の本稿では10式などの戦車や火砲にスポットをあてたが、今回は敵の上陸部隊を空から制圧するヘリコプター部隊を紹介する。(岡田敏彦)



空から制圧


 総火演でのシナリオは、離島の奪還のため、陸海空自衛隊が統合作戦を行うというものだ。


海上自衛隊のP-3C対潜哨戒機が侵攻してくる敵上陸部隊を察知し、航空自衛隊のF-2戦闘機が翼下に搭載した対艦ミサイルで攻撃を行う。


なお残存し上陸してきた敵の戦車や装甲車といった陸上部隊の制圧に大きな役割を果たすのが、AH-64「アパッチ」と、AH-1「コブラ」の攻撃ヘリだ。

https://www.youtube.com/watch?v=cnAqRNwXCrw




 陸上自衛隊のAH-64は「アパッチ」のなかでもレーダーを搭載した高機能型で、通称「ロングボウ・アパッチ」と呼ばれる型だ。


レーダーは空対空・空対地の両モードを備える。


メーンの空対地モードでは最大で256個の目標を補足し、目標が戦車なのかトラックなのかといった脅威度を判別したうえで、優先攻撃目標をパイロットに提示するという戦闘機さながらのハイテク機能を持つ。


武装は各種対戦車ミサイルと30ミリ機関砲(チェーンガン)で、制空権を掌握した状態では地上目標に対し無類の強さを誇る。





ヘリにもレーダー


 近年は対空兵器の進歩に伴い、歩兵の持つ地対空ミサイルなどが武装ヘリの脅威となってはいるが、ロングボウアパッチの場合はこうした脅威にも有効だ。


 同機のレーダーは、回転翼(ローター)の軸上に設けられており、敵に対して山の稜線から最上部のレーダーだけを出しての目標補足が可能だ。


敵から見た場合、山の稜線に突然現れてはミサイルを放ち、下に隠れたと思えば別の場所から現れて機関砲で攻撃する-といった、極めて厄介な相手となる。



 一方、AH-1「コブラ」は昭和54年から配備が始まった。


アパッチに比べ旧式だが、現在も約60機が運用されており、米国の生産メーカーの都合などでわずか13機の調達にとどまった「新型」のアパッチを抑えていまも陸自攻撃ヘリの主力の地位にある。


主武装は歩兵や非装甲車両に対し有効な7・62ミリ機関銃(M134ミニガン)に加え、ロケット弾ポッドや対戦車ミサイルを搭載できる。
 




攻撃ヘリの現状


 こうした攻撃ヘリは、冷戦時代に欧州の大平原を侵攻してくるソ連軍の脅威に対抗するとの思想からうまれた。



さかのぼれば、戦車に対する空からの攻撃は第二次大戦時にさかのぼる。



 当時、ドイツ陸軍などが運用したティーガー戦車など重装甲の戦車は、米英軍のシャーマン戦車の比較的小口径な主砲では撃破できなかった。


こうした場合、連合国陸軍は航空隊に支援を要請し、空から爆撃したり、装甲の薄い戦車の上面を目標に機関砲で攻撃した。


一方、ドイツでもソ連の重装甲の戦車に対してJu87「スツーカ」などの攻撃機が30ミリ機関砲で「薄い上面装甲」という弱点を狙う攻撃を行った。


こうした戦闘攻撃機による地上攻撃の役目は、戦後に発展したヘリコプターが担うこととなった。


ただ、東西冷戦時は機関砲による上面攻撃は有効だったが、現在は各国の戦車とも対抗策として上面装甲を重視しており、攻撃ヘリの機関砲では威力不足とみられており、対戦車ミサイルの重要性が高まっている。
 


(産経ニュース)



戦車も高価だが、アパッチ1機で戦車1個中隊分くらいの値段がする。


そのアパッチも数が少ない。


もっと数を増やして長く運用できないものか?


アパッチ以降は無人攻撃機の時代になるのだろうか?


次世代の戦闘ヘリなり攻撃ヘリなり開発するか、輸入するなり考えなければいけない時期に来ていることだけは間違いないと思う。