ホームインスペクターズ協会ブログ 『ホームインスペクション通信』

日本ホームインスペクターズ協会のブログ ホームインスペクション現場の実例など


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昨日のブログの続きです。

 

「来年から法律が変わると、建築士の資格を持っていないと、住宅診断ができないの?」

 

ここ最近で増えている、この質問について、お答えします。

 

答えは「いいえ」です。

ここでいう法律とは、宅地建物取引業法(宅建業法)を指すのですが、
この質問には、「宅建業法が規定するところの建物状況調査」という、出だしの文言が抜け落ちています。
※ 国交省が今年6月1日に公開した「改正宅地建物取引業法に 関するQ&A」のQ13-1に、この辺りの、誰しもが疑問を抱く業務の範囲について、明文化されていますので、参考までに、PDFにリンクを張っておきます


以下、説明が長くなりますよ。

協会サイトのQ&Aの問10にも載せていますが、

平成30年(2018年)4月1日以降に施行される、一部が改正される宅地建物取引業法(宅建業法)が規定する「建物状況調査(インスペクション)」では、(いわゆる中古住宅を含む)既存建物取引時において、売主または買い主が宅建業者と媒介契約を締結する際に、宅建業者は、売主または買い主に対して、専門家による建物状況調査(インスペクション)を行なうかどうかの「あっせん」の可否を明示することが義務付けられ、この「あっせん」を受けて、宅建業法が規定する「建物状況調査」を行なう場合には、国土交通省が定める実施規定に基づく既存住宅状況調査技術者講習を修了する必要があります(JSHIの資格だけでは上記「あっせん」を受けることはできませんが、その前後で必要される幅広いホームインスペクションは、宅建業法が定める業務外ですので、問題なく行なうことができます)。

補足しますと、

「あっせんしてほしい」となった時、宅建業法で定める「建物状況調査」を行なえるのは、上記の講習修了者であり、その講習を受講できるのが、建築士(国家資格)をもっている者に限られます。

 

この講習を受講できるのが建築士であることから、

住宅診断は国家資格をもっていないとできない」という、誤った解釈につながっているのだと思われます。

 

今回の業法改正の狙いは、中古住宅の流通をさらに活性化させることです。「ホームインスペクション」という専門用語が、一般的に知られるようになるのはとても良いことだと、当協会の理事長長嶋も、今年6月に発行した会報誌 14号巻頭の「理事長挨拶」で述べていおります(11/7より会報誌の一部公開を開始しました)

 

でも、想像してみてください。

ホームインスペクションは、上記「あっせん」という場面以外にも、その前後だったり、いろんなシーンで必要になります。

住みたいと思う中古住宅に巡り合ったとき、いまの住まいの「健康状態」を知りたいとき、愛着のある住まいを手放す場合、などなど、

「どこをどう直したらいいの? 修繕にはいくらかかるの?」

このような、依頼者が切実に知りたいことを、目で見える範囲で、第三者的な立場で診断する、それが、JSHIが理想とするホームインスペクター(住宅診断士)なのです。

 

改正宅建業法におけるあっせんに伴う現況調査について、もう少し想像力を膨らませて、考えてみましょう。

媒介契約のシーンを思い浮かべてください。媒介契約者には2タイプ、買い主と売主側がいますよね。さて、どちらからのアプローチが多いと思いますか?

おそらく、売主からが多くなるでしょう。

 

なぜなら、媒介契約を結ぶという切羽詰まった席で、宅建士に「あっせんしますか?」と訊かれても、買い主さんは正直、困ってしまうと思うのです。

私だったら、困ります!

宅建士側としても、契約を急ぎたいはず。ならば、契約する前に、第三者性を保持したうえで、住宅診断を行なう業者が今後、増えると思いますJSHIとしては、住まい手自身がホームインスペクターを選んで、依頼することを推奨しています

このような事前の住宅診断は、改正宅建業法で定めるところではありませんので、いうなれば「誰でも」できます。もちろん、JSHIの認定会員も!

 

この辺りについても、前述の会報誌14号に収録した対談「どうなる? 改正宅建業法」で、当協会の理事2名がわかりやすく説明していますので、ご興味のある方はお読みください(PDFが開きます)。

 

もうひとつ、参考までに。

改正宅建業法における調査は、住宅瑕疵担保責任保険(瑕疵保険)の調査内容と同じです。仮に瑕疵保険に加入できる物件であれば、瑕疵保険に入る方向に話が進むと思われます。でも、既存住宅状況調査技術者の資格だけでは瑕疵保険には加入できません(この質問も多いですね)。再度の現況調査が必要になりますから、前述の状況調査の資格と併せて「瑕疵保険会社の調査委員」の資格ももっていなければ、あまり意味がないといえます。

 

 

長くなりましたが、冒頭の問合せに対して、事務局ではこのようにお答えしております。

「今回の業法改正、実は、よくわからなくて・・・」とお困りの宅建士さんが、どうやら多いようでして、

モヤモヤしてたのがスッキリしました! よくわかりました!」と言っていただける場合がほとんどです。
うれしいです \(^o^)/ お仕事万歳!

 

今回の業法改正によって、ホームインスペクション(住宅診断)が「当たり前」な世の中になるといいですね。

 

さて、当協会の認定試験が今週末の11月12日に全国7都市で実施されます。

建築士などの国家資格に限らず、資格の有無に関係なく受験することができ、合格後の入会規定も同様です。

これは、「玄関ドアを開けた瞬間から1円ずつ価値が下がる」と揶揄される、日本の住宅市場において、決して安くはない、大事な財産である住宅の価値を守り、長く住み続けるためには、住宅をつくる側・売る側ではなく、住み手となる側にこそ、ホームインスペクション(住宅診断)を学んでほしいという、設立以来の理念に基づくものです。

住宅に関わる方々に「勉強する機会」として、私どもの資格試験があります。

 

lこの理念に照らし、現時点では、当協会は上記の既存住宅状況調査技術者講習制度の実施団体に登録していません(2017/5/16発表)。受講資格がある会員は、各自の判断で他団体が実施する講習を受講していますので、もしも宅建業法が定めるところの「建物状況調査」を希望する場合には、「ホームインスペクターを検索する」機能を使って問合せをかける際に、その旨を確認してください

 

「じゃあ、JSHIの会員でいるメリットは何なの?」と、これから受験を検討している方、会員の方にも訊かれます。

 

協会では、一般会員と認定会員それぞれに対して、オプションを含めていろいろな会員特典をご用意しています。

近々では11月1日より、認定会員向けの新しい団体保険の運用を開始しました。

9月1日には、から日本不動産仲裁機構ADRセンター(法務大臣認証裁判外紛争解決機関)に加盟し、調停人基礎資格を取得できるようにしています。

この2つの新しいサービスについては、明日のブログに続きます。

 

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