前回:Ⅱ-(57)  

「次の試練」



ディズニーの提示したロイヤルティー(使用料)に対して三井不動産の減額要求。そして、ロイヤルティー以外に契約期間の長さも問題になりました。文章では語りきれない様々な攻防があったようですが、高橋さんが2代目社長になり、捨て身の行動により決着します。最終契約調印期間が4月末に迫り、辞職覚悟で、米国にて最終調印を締結してしまいます。

無事、契約が締結され、高橋さんの続投も決定しました。しかし、さらに試練は続きます。それは、建設費用の問題でした。三井不動産は、資本金の48%分の保証しか協力はしないと明言していました。京成電鉄もお金がありません。最後は、銀行に融資を依頼するしかありませんでした。銀行に依頼をしても巨額の資金を出してくれるところは、そうはなかったようです。マスコミも決して好意的と思われる報道ではなかったためか、銀行もギャンブルする意思はないと言われたこともあったようです。ここで強力なバックアップになったのが千葉県です。すでにディズニーランドの誘致を公約してしまったためもあったようですが、副知事がこの融資交渉に同行してくれたそうです。また、何かあれば県が責任をとると明言くれたのが大きな力になりました。それに応えてくれたのが、旧名「日本興業銀行」でした。現在の「みずほ銀行」です。先見性があり、将来優良な企業を育てるのに優れた銀行だったと聞いています。このオリエンタルランドへの融資とりまとめもそれを証明したことになりますね。

この銀行の副頭取が、ディズニーランドを実際体験したことがあり、サービス産業の育成に積極的だったことも幸いしたようです。最終的には、日本興業銀行の一行では巨額すぎるということで20数行の銀行融資団を日本興業銀行主導で取りまとめられました。

日本興業銀行が認める会社ならば、他の銀行も認める。そのぐらい優れた銀行だったということです。

最初の建設費用は、概算600億円超。

建設開始直前の予想は、1000億円超。

1983年の完成した時は、1800億円超。

この融資がなければ、東京ディズニーリゾートの幻に終わっていたでしょう。

現実的ですが、一回融資して、建設が始まれば、その後もその融資を回収するまでは、建設資金を出し続けるしかありませんから。

To be continue

【次回 ディズニー大学との出会い-59)「ディズニーはどう考えていたか」




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