シンエンペラー粗削りも推進力は十分、川田騎手「先々につながっていく競馬ができれば」

 

川田騎手が騎乗し、馬なりで坂路を駆け上がるシンエンペラー
川田騎手が騎乗し、馬なりで坂路を駆け上がるシンエンペラー

<弥生賞:追い切り>
 

 シンエンペラー(牡3、矢作)は、栗東坂路で4ハロン54秒6-11秒9。あごを突き出す独特のフォームで粗削りだが、推進力は十分。
 

新コンビの川田騎手は「とてもいい馬です。

まだまだ幼く、クラシックへ向かうにあたって経験が必要なタイプですが、だからこその弥生賞だと思うので、先々につながっていく競馬ができれば」と課題を指摘しつつも確かな能力を感じていた。

 

 

4・5億円馬ダノンエアズロック古馬相手に追走併入、キング騎手「満足のいく仕上がり」

 

キング騎手を背にダノンエアズロック(左)はサイルーンと併せて追い切る(撮影・柴田隆二)
キング騎手を背にダノンエアズロック(左)はサイルーンと併せて追い切る(撮影・柴田隆二)

<弥生賞:追い切り>
 

 4・5億円ホース・ダノンエアズロック(牡3、)は、美浦ウッドの併せ馬で5ハロン64秒8-11秒4をマークし古馬相手に追走併入。

 

大跳びで前肢のかき込みは迫力満点。内を回ったとはいえ、見た目以上に時計が出た。
 

3週連続追い切りに乗ったキング騎手も「今週は微調整で反応を確かめる程度。

ここ数回の追い切りでフィットネスが良くなっている。

自信を持って満足いく仕上がりで競馬に向かえます」と、短期免許ラストウイークを華々しく飾るつもりだ。

 

 

2024年2月28日17時10分
(日刊スポーツ)

 

 

 グラサン

 主戦ジョッキーを巡っての攻防は、生産者・調教師は当然の事、今年は馬主まで巻き込んでの攻防と成っているが、複雑なのは巻き込まれた主戦ジョッキーで、意中の馬が居ても口に出せない時もある。

 

特に川田将雅騎手は一昨年の暮れは思い存分我儘を言って一部馬主・調教師に迷惑を掛けた事を詫びており、ここに来て自分が望まなくても次々と引かれて行くラインは、まるで工場の生産ラインの様で手も抜けぬ状況が続いている。

 

朝日杯FTS(GⅠ)を制したジャンタルマンタルに続き、今度は藤田晋オーナーのエンペラーの依頼を引き受けた訳だが、ジャンタルマンタル同様に、シンエンペラーは頭を上げて走る走法は同じで、正直、何故に将雅はこの馬の騎乗依頼を引き受けたのか理解に苦しむ。

 

考えられるのは1つしか無く、全く常識はずれからのアタックで、損得勘定で騎乗を引き受けた訳ではなさそうだ。

 

このままでは何もかもが中途半端な状態で時間だけが過ぎて行く訳で、お互いにプラスになる事は無く、今回を最後に和解して欲しいと望んでいる。

 

 短期免許でラストウイークを迎えるキング騎手がまるで愛犬を見つめるようなまなざしでダノンエアズロックを見つめる。

 

堀調教師の粋な計らいで弥生賞(GⅡ)で騎乗する事に成ったが、キング騎手らしくない目の怯えを私は見逃していない。

 

これだけのジョッキーが主戦ジョッキーの様にここまで任されるのは珍しいケースで、短期免許終了後、再びクラシックで騎乗する話も出ているくらいで、ダノンエアズロックの主戦ジョッキーは宙に浮いたまま揺れ動いている。

 

現段階ではこれまた弥生賞(GⅡ)で3着以内でやっと皐月賞(GⅠ)への切符が取れるが、日本ダービー(GⅠ)への出走と成ると皐月賞(GⅠ)の結果次第と言う事と成る。

 

いろんな面で今後の3歳特別戦は1日・1日が大事な一戦と成る訳だが、こうしてここ8ヶ月を振り返るとあっという間だったし、メイクデビューでJR馬としてランクインした馬がクラシックに最も近い存在と言う事を改めて教えられる気がしている。