{72FA293B-C9A3-4CD5-ABC0-7CDD77B99CE0}




  先日、出身高校の先輩にあたる、雑誌『馬ライフ』の編集顧問で「フリーダム・ライティング・クラブ(FRC)」代表の田中雅文氏のお招きにより、

東京・新橋で行われたFRC主催の定例の会食会に参加させて頂いた時のお話です。


  定例会では毎回、馬に関わる著名な方々による講演が行われているのだそうで、
今回の講師は、かの「ナチュラルホースマンシップ」で有名な持田裕之先生でした。

{7D58E0BC-77FE-4AC5-A7A0-64D54278AE10}


  思いがけず、直接お話を聴く貴重な機会を得ることが出来ましたので、ここでそのお話の内容を少し紹介させて頂きたいと思います。

 講演を拝聴した限りでの私の解釈ということで、実際の理論とは違う部分も多々あるかとは思いますが、参考にして頂ければ幸いです。



  講演のタイトルは、
「馬との友好的な関係を作るために ー A gentle approach to a confident horse」。

  辞書によると、confident という英語には、確信とか、自信に溢れた、といった意味があり、
そこから転じて「親友」というような意味で使われることもあるようです。



  お話は、まず馬とはどんな動物か、人との違いは何か、といったことから始まりました。

  
 馬は草食動物であり、それに対して人間は、雑食、すなわち、肉を食べる動物です。
  
  つまり、馬は「被捕食動物」であり、馬にとっては、人間は彼らを狩る側の「捕食者」であるわけです。

  ですから、馬の本能としては、人が近づいてくれば逃げようとするのが自然、ということになります。

  乗馬クラブなどにいる馬たちは、私たちが近づいても普通は逃げだしたりしませんが、それは本質的には当たり前ではなく、

ある意味、馬と人とは本来敵対関係にあるのだということを頭に置いておくことが、馬への接し方を理解する上で大切だ、ということでした。

  改めて考えれば当然ですが、これまで意外に意識したことのないことで、軽い衝撃を受けました。

  

  馬は群れで生活する動物であり、「アルファ」と呼ばれるリーダーを中心に行動します。

 アルファの重要な役割は、人間のような捕食者から逃れ、餌や水のある場所へ安全に群れを導くために、群れの馬たちの移動の「スピード」と「方向」をコントロールすることであり、それによって提供される『安全と快適』こそが、群れで生活する馬たちにとっての、リーダーに従うことに対する一番の報酬、ということになります。


  この「安全と快適」を第一に求める、という馬の性質を理解し、彼らがこちらの求める行動をしてくれた時にタイミングよくそれを提供することで、馬に自分をリーダーとして認めさせ、例えば無口やロープを使うことなく自在にコントロールするようなことも出来るようになる、というのが、ナチュラルホースマンシップの「キモ」ということになるようです。


  講演では、実際にトレーニングを行っているところの写真や動画も見せて頂きましたが、

馬が導かれるままにブルーシートの上に乗ったり、それを身体に掛けても動じることなく駐立していたり、また無口も引き手も使わずに、数頭の馬を「輪乗り」のように並走させたりと、正に『神業』といえるような内容に、感嘆するばかりでした。



  また、実際にトレーニングで使われるホルターを用いての、無口を曳き綱で引っ張られた時に馬が感じるストレスや、力を加える方向を工夫することによって馬を誘導するための「ドアを作る」という考え方、プレッシャーから解放するタイミングによる効果の違い、といったことについての説明もあり、

参加者の皆さんはそれぞれ自身の経験に当て嵌めつつ、深く納得されている様子でした。


  「言うは易く行うは難し」で、一朝一夕というわけにはいかないでしょうが、

それでも、次の日からの馬への接し方がずいぶん変わりそうな、大変有意義な講演でした。


  先生の技術や理論に比べれば、私の紹介している内容などは足下にも及ばないとは思いますが、

いつか一度くらいは、こうした形で何かしらお話しなどさせて頂けるように、自分も研究を深めていきたいと思います。
(^^)


  定例会は各月で行われているようですので、ご興味ある方は、問い合わせてみて下さいね。