軽速歩の奥行き

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  私が子供の頃には、「フナ」と言えば近所の川や池などに行けばどこにでもいた最も身近な魚でしたが、

 近年では都市化や外来種の放流などの影響もあり、すっかり姿を見かけなくなりました。
 
  今では、フナというのが一体どんな魚か、一度も見たことがないのでわからないというような人も、少なくないのではないかと思います。


  フナは、子どもでも簡単に釣ることが出来る最も初歩の魚である同時に、

その一種であるヘラブナはとても繊細で、仕掛けやそれをセットする水深、餌の配合、当たりへの合わせ方などにかなりの経験や技術が求められることから、

「釣りは、フナに始まり、フナに終わる」

というような言葉も、釣り人の間では広く知られていたものでした。



  フナと同じように、乗馬の技術の中にも、なかなか奥が深くて、初心者にもベテランにも楽しめるものがあります。


  それは、皆さんご存知の『けいはやあし』です。


  軽速歩は、馬に乗り始めて最初に習うことが多いことから、初歩的な技術という認識があると思いますが、



とりあえず立って、座ってのリズムが取れるようになるまでの段階から、

膝から下が前後に振れないように、鎧を蹴らずに立てるようにしていく段階、

立つ座るの動きの中で大きく脚を振り、二歩に一回馬のお腹をキックすることを覚える段階などを経て、

膝を締め込まず、足先で踏んだ鎧に重心を載せたバランスを保ちながら、鎧を揺らさずに軽速歩の動作を行いつつ、効果的に脚を使えるようになる、というように、

それぞれの段階ごとに違う身体の使い方を一つ一つマスターしながら、少しずつ上達
していく、というような過程を辿ることになります。


  初めから最後のやり方を教われば良さそうな気もしますが、

  いきなり最終段階のやり方を初心者に求めても、普通はまず出来ないでしょうし、

たとえ出来たとしても、その意味を理解することは、それまでの段階の方法のメリットやデメリットについて、自分の感覚で「体認」した経験がなければ難しいだろうと思います。


  「乗馬は、軽速歩に始まり、軽速歩に終わる」

というのはさすがに言い過かもしれませんが、


  軽速歩は、初心者からベテランまで、それぞれの段階に応じて易しくも難しくもなる、とても「懐の深い」技術だと言えるでしょう。