59年ぶりに修復作業が行われ、昨年11月にお披露目された日光東照宮(栃木県日光市)の彫刻「眠り猫」が、お披露目から1カ月半ほど「薄目を開けていた」ことがわかった。彩色の担当者が両目が開いているように描いていた。現在は改められ、目を閉じた表情となっている。
修復は大正、昭和期の図面を元に実施。図面では目の彫りの部分が黒で塗り上げられているが、彩色担当者は目の中央部分の黒さを強調し、周りは薄いグレーの2色としたため、薄目が開いたような状態に。
日光社寺文化財保存会によると、工期はもともと今年3月までだったが、東照宮の意向で、観光客に早く見せたいと前倒しで昨年11月に飾っていた。
「時代によっては薄目を開けていた」との伝承もあるというが、同会は「確証はない」と1月に図面通りに塗り直させた。
保存会の工事監督の浅尾和年さんは「国宝でもあるし、確たる根拠がないことをやってはいけないと思った。まだ修理期間中だったので塗り直して工期に間に合わせた」と話している。
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