イラククルド自治政府首都にある米軍基地がロケット攻撃を受ける | 木下顕伸の日本・中東・世界情勢の解説

木下顕伸の日本・中東・世界情勢の解説

中東情勢を理解すると世界がわかる!日本人は中東問題に無関心だが石油の輸入依存は周知。中東問題、欧米・ロシア・アジアとの関係は、理解不能でも石油利権の考察で、複雑な関係は理解できる。そして、世界から見た日本のあり方も見えてくる。

https://www.newsweekjapan.jp/headlines/world/2021/02/313486_1.php
民間人一人が犠牲になり米兵も負傷した。
1.クルド自治政府の首都エルビル国際空港の隣接には、米軍基地もあり、戦闘ヘリ等が待機している。
2.ロケットを撃ち込んだのはハッシュトゥ シャハビー
シーア派人民動員軍の下部組織とみられる。
3.これまでイラクの首都バクダットの米軍基地が狙われてきた。
4.エルビルは、これまでテロも殆どなく各国は、大使館や領事館を設置してきた。
5.IS掃討には、クルド軍ペシュメルガが奮闘し大きな功績を果たした。
6.トランプ政権下でIS指導者バクダディをシリアで殺害し掃討作戦に勝利したとして、シリアから撤退したが未だにクルド人地域の一部と石油基地だけは守備している。
7.イラクでもクルド自治政府に基地を置いている。クルド自治領内は、石油天然ガス産出地帯であり、各国の利権がある。
8.トランプ政権は、石油天然ガスの中東依存から脱却した為、米軍撤退を決めた。
9.スンニ派原理主義のIS掃討後の米軍撤退は、イランの影響下にあるシーア派の民兵組織の拡大に繋がった。
10.イラクがイランの支配下になる事を危惧した米国は、革命防衛隊スレイマニ司令官を暗殺した。
11.何故、原油地帯だけを米軍は守るのか?ひとつは、スンニ派の原理主義者やイランの革命防衛隊のコッズ軍や配下の人民動員軍の活動資金を作らせないこと。
もうひとつは、原油価格の下落を防ぐ事。
もうひとつは、イランの原油密売と勢力拡大を阻止する事
12.何故、治安のいいエルビルがロケット攻撃を受けたのか?イランによるバイデン政権の様子見と米軍撤退による諜報活動機能の低下も挙げられる。
13.クルド自治政府は、米国寄りの政治であり、陸の孤島である。トルコやイラン、イラン寄りの中央政府を牽制するには、米国を含めた各国の支援が必要である。
14.今や、クルド自治政府領内には、トルコ軍の基地が36もある。今後、クルド自治政府は、イラン影響下のシーア派政権とトルコの影響力増大で板挟みになり、米国の政策次第では、分断が危惧される。