ツルツルのタイヤで

 

運転していたからなんだけど

 

アメリカに住んでいたときの話。

 

 

片側一車線ずつの狭くてゆるい坂道で

 

前の車のブレーキランプに合わせて

 

僕もブレーキを踏んだの。

 

 

その途端

 

僕のセリカ(車)が

 

クルクルッとスピンしだした!!

 

 

山あいを縫う狭い道。

 

反対車線と合わせて2車線。

 

 

白い中央ラインが引いてあるだけだから

 

あっという間に

 

スピンしながら車線を超えて

 

回転が止まらない僕の車。

 

 

フロントガラス越しに

 

何台もの車が目の前を過ぎていく。

 

 

「ギャァァァァァ」って叫びながら

 

(死ぬ)ってよぎった。

 


 

ただ両手を突っぱねて

 

力いっぱいハンドルを握ってた。

 

 

Gがかかって

 

それ以外は何もできない。

 

 

10回転くらいしたか・・・。

 

 

砂埃をあげてようやく止まった。

 

 

 

僕は両手を突っぱねたまま。

 

叫んでた口も開いたまま。

 

 

・・・

 

 

突然、窓から腕が入ってきて

 

ギアをニュートラルにされた。

 

 

どこからともなく

 

屈強なアメリカ人たちが数人やってきて

 

一斉にみんなで僕の乗った車を押し始めた。

 

道路脇のスペースに移動してくれたのだ。

 

 

僕はまだ口を開けたまま

 

 

腕も突っ張ったまま。

 

 

ハンドル操作してくれた人は

 

突っ張ったままの僕の腕が

 

なんとも邪魔だったことだろう。

 

 

車を脇に寄せると

 

You all right? (大丈夫か?)

 

って聞いてきた。

 

 

ウンウンって

 

首を縦に振るだけの僕。

 

 

一緒に押していた周りの人たちに

 

「誰かこの子にぶつけられた?」

 

って聞いてる。

 

 

「いいや、大丈夫だった」って

 

みんな笑顔で首を横に振った。

 

 

狭い道の真ん中で

 

何回転も車がスピンして

 

結構な数の車がスピード出していて

 

一台もぶつかってない

 

掠りもしなかったなんて。

 

 

 

Hey, you're one lucky sun of a xxx!

 

 

(xxxには下品で悪い言葉が入ります)

 

「おい、お前さん超ラッキーなクソ野郎だな」

 

って、ニッコリ笑って

 

突っ張ってる僕の腕を軽く小突いた。

 

 

Be careful.  (気をつけろよ)

 

って一言。

 

 

他のみんなと一緒にサッと散って

 

自分たちの車に乗って

(みんな自分の車を脇のあちこちに停めていた)

 

それぞれの方向へと走り去っていった。

 

 

ひとり車内に取り残されて僕は

 

はははは・・・って泣き笑い。

 

 

ホント、涙 流れた。

 

 

 

その時の

 

あのアメリカの大人の男たち。

 

あの爽やかな格好良さといったらなかった。

 

 

あんな “さわかっこいい” 大人になりたい

 

って、想った。

 

 

そして

 

 

これはそのあと車を走られてから

 

想っていたことだけど

 

 

僕って

 

“ラッキーなクソ野郎” なんだ

 

っていう想いがどんどん強くなった。

 

 

言われたままを

 

何度もひとりごちした。

 

 

one lucky son of a xxx! 

 

 

 

あの日って

 

僕のセルフイメージのひとつに

 

なっているかもしれない。

 

 

 

とにかく本当にあった

 

映画のワンシーンみたい出来事でした。

 

 


この出来事とは関係のない写真です

アメリカ時代の自分ですけど…

 

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