今日は、私の過去の話を少ししようと思います。
私はかつて、公立の小学校で臨任の教員として短い期間でしたが音楽を教えていたことがあります。
あの時は、地元の小学校で音楽会が開かれる年でした。
その本番の2週間前に、音楽の専科の先生が産休に入られるということで、当時たまたま教員の名簿に登録していた僕にお話を頂いたのでした。
親御さん方はお分かりだと思いますが、小学校の行事って、準備期間がすごく短いんですよね。
だから、本番がすぐそこに迫っているのに、練習が始まって間もないという状態で冷や冷やしたのを覚えています😅
勤務が始まると、子供たちの顔を覚える間もなく、学年全体の合奏や合唱の練習を見てほしいと言われました。
学校教育という現場では、基本的に、楽譜を読めるようになるまで教えることはありません。
そのため、音楽教室に通っている子供達以外はほとんど読めないわけです。
合奏の練習を見ていると、出来ようが出来まいが通し練習を繰り返している様子が伺えました。
そうして見ているうち、出来ないことに対してパニックを起こして練習を止めてしまう子も居たりしました。
僕は、なんとか全員がアンサンブルを楽しめるようになる方法を、考えました。
そして、ずっと曲を通す全体練習をしようとする学年の先生に、全体練習を一旦止めて、パートごとに練習場所を分けて、各自が自分の音をよく聴いて練習する時間をたくさん取るように提案しました。
そして、パート毎に巡視を行い、名簿をもらって、それぞれの子供たちの現状を把握するようにしました。
その上で、渡された楽譜通りには演奏できない子供達からはパート譜を回収し、それをさらに複数のパートに分けて、各パートを易しい楽譜に編曲し直し、子供達に返しました。
パニックを起こす子は、リズムは分からないけど力いっぱい叩くのが好きだったので、拍頭のバスの楽譜を与え、『音は少ない代わりに、責任ある大切な役割だからしっかりやるように。』伝えて、叩くタイミングを指揮をしながら指導しました。
すると、その子も少しずつ練習に参加してくれることが増えました。
合唱の練習では、実際の歌唱によって音楽的なフレーズの表現の仕方を示したり、ピアノの伴奏による音色の変化の違いを子供達に聴いてもらって、そこにどういう歌唱表現をのせると美しいかという指導を行いました。
また、高学年の伴奏を担当する子供達には、昼休みや放課後にピアノのレッスンを行い、前奏や間奏・後奏を美しく弾くための効果的な運指や練習方法、合唱をより引き立たせるための伴奏のコツを教えました。
その他、金管バンドの顧問をして、楽典やソルフェージュの指導を部員向けに行ったり、朝練で行う基礎練習のメニューを考案したりもしていました。
今となっては、とても懐かしい想い出です😌
そして、この経験は、街のピアノ講師として子供たちを教えるにあたってすごく生きていると思います。
僕の教室が、ピアノ塾という名前で運営しているのは、ピアノを弾くことだけではなく、学校教育で学ぶ幅広い教養にプラスαした内容を、音楽の基礎と共に伝えていきたいという願いからです📖
そして、僕のもとで学ぶ全ての子供達に、音楽を友とし、人生を豊かに歩んでほしいなと思っています☺️