※こちらの記事は、平成19年3月2日に書かれたものです。
『覚悟のススメ』、『蛮勇引力』などの名作を描いた山口貴由氏がまたすごい漫画を描いてくれました。
南條範夫原作の時代小説『駿河城御前試合(するがじょうごぜんじあい)』の第一話「無明逆流れ」をもとにした、残酷無惨時代劇『シグルイ』。
『覚悟のススメ』について知りたい方は、下記リンクをクリックしてください:
覚悟のススメ 完全保存版第1巻
『蛮勇引力』について:
蛮勇引力
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江戸(えど)時代寛永(かんえい)年間、駿府(すんぷ)城主であり将軍家光(しょうぐん・いえみつ)の実弟徳川忠長(とくがわ ただなが)が切腹を命じられた。数々の凶行に走った忠長だが、切腹の直接の原因となったのが駿府城にて行われた「真剣」による御前試合。全十一試合行われ、参加者二十二名中半数以上が死亡。
その第一試合が隻腕(せきわん)の竜、藤木源之助(ふじき げんのすけ)と盲目破足(はそく)の竜、伊良子清玄(いらこ せいげん)という二人の怪物であった。
そして、この試合にいたるまでの二人の因縁が描かれる…。
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今までさんざん残酷な漫画を描いてきた山口貴由氏であったが、これまでの作品にはちょっとした気の緩みや、「エロ」による「遊び」的な部分が感じられることがあった。
しかし、この『シグルイ』は全く力の抜けた部分が感じられない。物語の冒頭から張られた綱が、ピンと張り詰め、少しもたゆまない。
「たゆまない」という言葉がこれほどふさわしい漫画は少ないであろう。
さらに「たゆまない」どころか、太い綱があまりの力で引っ張られ、今にもぶち切れそうな漫画である。
その綱がぶちきれる間に何人もの登場人物が、腹を裂かれ、腕をちぎられ、頭部を破壊されて死んでいく。
しかしそれは、山口氏のこれまでの漫画に見られた単なるサディズムではない。
性的描写も少なくない。いやむしろ、男性の肉体美という性描写を含むのなら、ほとんどが性的描写で構成されている。もちろん女性の性描写もある。しかし、そこには「快楽」が感じられない。「生」と「死」の張り詰めた緊張感しか存在しない。
これが山口氏の「覚悟」であるのだろう、と実感した。
「劇画界のサムライ」、山口貴由の決死の覚悟を見届けたい方はぜひ。
「チャンピオン レッド」で連載中。
※令和5年3月25日注:現在は連載が終了しています。
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