「すいません、そちらに着くの、遅れそうなんです」



その日、2つのハプニングがありました。

その一つ目は電車の運行状況。



ムササビ観察会、受付は14:00

午前中に家を出て、
ホリデーライナーおくたまで楽勝だぜ!

と思ってスマホで電車の乗換案内をみたら…

あれ?中央線止まってるじゃん。
月曜日のAMじゃあるまいし。

とりあえず新宿まで移動したものの

「運転再開時間の目処は立っていません」

とつれない放送。

しかたなくビジターセンターに
冒頭の電話を入れました。


「他の方からも遅れる連絡があったのですが
何かあったのですか?」

「実は中央線が踏切だか信号だかの故障で
止まってるんです。」

:
:

西武新宿線で拝島駅に移動し
そこで善後策を検討しようとしたところ
拝島駅に着く少し前に中央線が動き始めた!

「おお、カミサマは見捨てていなかったゼ!」

時刻表を調べるとギリギリ間に合うかどうか。

御嶽駅の改札は最後尾が近いことを知っていたので
最後尾の開く側のドア横に立ち
御嶽駅到着と同時に
先頭を切って改札を出る。

バスも、1番降りやすい位置にすわり、
ケーブルカーの待ち行列も先頭だ(笑)


ケーブルカーでも1番上の左ドア、
つまり出口に1番近い場所に。

御岳山駅(ケーブルカーの上の駅)到着は13:51


9分以内にビジターセンターに入れば間に合う!

歩行者の迷惑にならないよう注意しながら
ビジターセンターまで猛ダッシュ!!

結果、5分くらい余裕を持って着きました(笑)


名札に名前を書き着席。



程なくしてビジターセンターの
スタッフさん一同の自己紹介から始まり、
ムササビの姿や生態などの説明が始まりました。
スタッフさん、本当に自然が好きなようで
話してる間も目がキラキラしてます。
瞳から星がこぼれるかのごとく。
写真から伝わります?(笑)


スタッフさんがいくつかクイズを出します。


「ムササビは、今この時間、
どこで何をしてるでしょ〜か?」

子供たち、シンキングタ〜イム。

とその時、2つ目のハプニングが。

























「あっ! …ムササビ、顔だしてる」

スタッフさんの声にざわめき立つ会場

みんな一斉に振り向く。

ちょうどセミナー会場の窓の外に
ムササビの巣箱があるんです。

冬に一度見に来た時の様子は
↑クリック




子供たちがキャーキャー騒ぎ出す



のそのそ…

1月に見に来たあの巣箱からムササビくんが!!

なんかもう目的達成した気分(笑)

スタッフさん
「ムササビくん、この時間は寝てるんですよ〜
って言おうとしたのに
『ぼく起きてるよ〜』って言いに
顔を出してくれましたね〜(⌒-⌒; )」

とちょっと動揺気味。

なんとまぁベストタイミング。

「仕込みじゃないですよ〜(笑)」

とかも言っていたな。

周囲を一瞥して
「異常な〜し!」
も言わんばかりに
巣箱に戻って行きました。

「続いてのクイズ!
ムササビくんの顔は次のどれでしょう〜?
って、みんな今ホンモノ見ちゃいましたね〜
(⌒-⌒; )」

スタッフさん、やりにくいだろうなぁ(笑)

と一連のスタッフさんの対応を見ていて
あることに気づきました。

↑クリック

その時は顔も名前も覚えてなかったのですが
この話し方や情熱、まちがいなく
私にロックガーデン への行き道を
教えてくれた方です。

(後で本人に確認したところ、
そういう説明の仕方をしてたのは
私だけですね」と
言ってくださいました。)

同じビジターセンターなんだから
当たり前と言われればそれまでですが
この後、オトナ班、ファミリー班に別れた時も
三箇所の宿坊に別れた時も
翌日のロックガーデン の案内も
ずっとこの方が担当してくれました。
ここでもご縁を感じます。

ロックガーデン での楽しくて情熱のこもった
あのガイドは納得です。
子供達にもとても懐かれていました。


聞けばビジターセンターに勤めて2年目が
始まったばかりという新人さん。
夜飲み交わした男性も
驚きの声を上げていました。
ベテランの域を超えてますよ。ガチで。

さてそうこうしているうちに昼の森へ。




コースは富士峰園地の周囲をぐるっと一周

「ムササビくんから皆さんに
案内状が届いています」

とスタッフさんが封筒を取り出しました。

参加者の一人が代表で封筒の中を開けると

ムササビくんが食べた後の葉っぱ

高尾山では
を見つけましたが
今回はもう少し小さい葉っぱで
かじりたて


こっちはまだ葉が青く
かじりたてホヤホヤ。
多分前の晩にかじったんでしょう。

見分ける特徴は、葉脈の中心線で
左右対称にかじられていること。

ムササビの習性として、
どうやら葉っぱを二つ折りにして
かじるらしいんです。

高尾山や御岳山など、
ムササビがいる森を歩くときは
このような葉っぱを探してみてください。
ただの虫食いだと思ったら
ムササビくんの痕跡かもしれませんよ。



近所のお土産やさんが設置した巣箱

この写真からでは分かりませんが
穴にほんの少し
ムササビの毛が絡まっていました。
これも最近出入りした証拠。


これみてください。

分かりにくいですが
葉っぱにわずかに毛がついています。
もしかしたら他の動物の可能性もありますが、
なんだかワクワクしますね。



参加者の方が食痕のある葉を並べました


この巣箱も穴の周りがかじられていて
実際にムササビが使ったことが
わかるんだそうです。

こうしてみると、今度また森を歩くとき、
今まで以上に
動物の息吹を感じるようになりますね。



一度ビジターセンターに戻り、
夜の観察会の説明が始まりました。

ビジターセンターの館長さんが
なんとムササビの着ぐるみで登場し、
暗闇の中で探すコツを教えてくれます。
(先頭の写真の茅葺きの宿坊は
館長さんのご自宅だそうです。)

気を揺らす音
宙を舞った後木にしがみつく音
鳴き声

この鳴き声ってのが、正直可愛くない(笑)


「グルルルルルルルウウウ」
「グルルルルルルル」

文字で書くと犬の威嚇のようですが
実際には低い声のカラスみたい。

それが、夜の森編で聞けた訳です。

とそのとき子供が叫びました。

「あ、また出てきた!!」



にょっ!



今度はなんだか眠そうです(笑)

特徴は顔の両サイドの白いライン。
モモンガにはありません。

「こんな頻繁に昼間に
顔を出すなんて珍しいですよ」

とてもラッキーだった訳ですね。

そしてお話は宿坊編へ。

実はまだ続きます。