ということで、信州松本へ出かけてまいりました。駅前に救急車が停まっておるとは不穏な状況かとも思いますが、個人的には滞りなくといった具合でしたかね。
で、このほどの旅のお供としたのが『ただいまつもとの事件簿』という一冊。旅のお供にする本は、小難しくなものを選びたいところですので、西村京太郎のトラベルミステリーの中から行先と関係ありそうな作品を選んだりするもこともままありまして。
ただ、西村作品は列車で動き回ることが多い(例えば昨2025年秋に福岡に出かけた際に読んだ『西日本鉄道殺人事件』は鹿児島・知覧あたりも話に大きく絡むわけで…)ですので、ピンポイントのご当地感がやや希薄、その点、今回手にした作品は、一にも二にも松本でありまして、だいたい「ただいまつもと…」というふざけた?タイトルは、松本山雅FCのサポーターたちが交わす挨拶に由来するそうでありますよ。
ですので、「夫の転勤のため長野県松本市に転居した」という主人公が「いくつかの“日常の謎”に挑む」「松本の魅力たっぷりのミステリー!」となれば、むべなるかなというくらいに、松本のあちこちが話のはしばしに出てくる。市街の観光客でにぎわうあたりを、少々ぶらりとしただけでも、出てくる出てくる!という印象でして。例えば…。
四柱神社で、とある事件と関わる人物と主人公は出会い…
松本城の外堀にもあたる女鳥羽川沿いに長屋のような店が立ち並ぶ…
繩手通りを話しながら抜けて、見ず知らずが知り合いとなっていき…
川向うにあって、松本民芸家具で内装の彩られた老舗喫茶店の珈琲まるもで話し込む…
当然のように、中町通りと中町・蔵シック館の登場を外すことはなく…
また、主人公が東京へと謎解明に向けた事情聴取(?)に出かけるときは地元銘菓の開運堂のお菓子を手土産に持参することも書かれておりますし、観光スポットではないですが「松本城からほど近い地方新聞社のビル」などと仄めかされれば「ああ、信毎(信濃毎日)メディアガーデンであろうなあ」と分かる人には分かる描写もまた数多あるようで。
さほど詳しくない者には「どれほど拾えたろうか」と思われたりするくらいですので、土地柄に詳しい方々にはさらに「ここも、あそこも!」となることでしょうなあ。
と、松本尽くしであることでもって作品自体を称揚しているようにも見えましょうけれど、ミステリーのお話としては「…」、触れずにおくが花のようでもあり…。ただただ、松本近辺を訪ねる際には楽しさもある読み物とは思うところですが。
とまあ、旅のお供の一冊に釣られて、あたかも聖地巡礼?のように登場した箇所を歩き回ったかのように見えるのは、駅から松本城に至るまでのあたりをうろうろしただけで、こうなったというだけのことでありまして、ともあれ、ぶらりの後は温泉、温泉!昨秋に来たときには浅間温泉泊まりでしたので、このほどは美ケ原温泉ということに。またもお城前の停留所から路線バスで移動いたします。
…ということで、信州松本のお話も少しばかり続くことになりますです、はい。










