東京・清瀬市の郷土博物館で「寝台列車今昔物語~夢空間が清瀬へ、その軌跡~」なる特別展を見たのは、3カ月ほど前のことでしたなあ。かつて鉄道旅の豪華車両として活躍した「夢空間」が清瀬市の公園に展示されることになったことに関わって、日本の寝台車・食堂車の歴史を振り返る展示で、それなりに「ほお」と思いながら見てきたものです。
その後、夢空間は清瀬市中央公園で確かに公開されるようになった…ところが、そのことが少々物議を醸しておるらしいことを、つい先日の新聞記事で見かけたのでありますよ。なんとなれば、清瀬市にとって夢空間のあることがいったいどう関わるのであるか?てなことで。
まあ、さほどの縁もゆかりもない「夢空間」の展示は、(車両自体は無償譲渡だったらしいですが)すでにして移設費用が億単位でかかっており、その後の維持管理費用がまたランニングコストとして出る。どうやらレストランとして業者委託するようながら、豪華さが売りなだけにどれほどの稼働が見込めるのか、そんな声が挙がってもおるようで。
で、博物館の展示で「夢空間が清瀬に来る!」と喧伝しておった当時と何が変わったかといえば、3月末にあった市長選の結果、夢空間の事業を推進していた市長が落選、新市長に大きな置き土産を残すことになったてなことであるそうな。
と、ここではこの清瀬の話ばかりをどうこう言うものではないですが、地方創生とやらの掛け声でもって地方自治体としては「何かせねば…」という状況になっている。東京の清瀬がそうだとはいいますが、首都圏や大都市圏から離れた地方都市、町や村は人口減少、少子高齢化などなど抱えて「どうする?」的な思いが飛び道具的な施策を頼むこになったりも。その飛び道具さ加減は、地元の発想では追いつかないなのでコンサルタントを頼ることにもなったりしているようでありますね。
マスコミ報道でも知られるようになった福島県の国見町では、企業版ふるさと納税による寄付金を利用して高規格救急車を発注、これを他の自治体やら消防組合などにリースして事業とするというプランがあったといいますが、これもまた背景は同様なのでしょう。なにしろ、国見町自体には(広域消防の傘下に入って)独自に消防組織を持ってもおらないのに、高規格救急車12台発注とは、飛び道具ですよねえ。
そんな国見町の「本当に地元のため?」という地方創生事業の実態に迫る(暴く)内容であったのが、この集英社新書の一冊『過疎ビジネス』でありましたよ。実際に、この件をすっぱ抜いた河北新報の記者が書いた本です。
細かいことは本書にあたっていただくとして、要するにどんな場面でも困っているところに漬け込む人たちがいるということになりましょうか。たぶん、頭がいい人たちなんでしょう、法律の抜け道探しに長けているようですのでね。
ですが、毎度毎度手を変え品を変えの詐欺行為などでも思うことですけれど、よくまあ、次から次へと新しい手法を思いつくものだなと考えると、やっぱり頭のいい人たちなのでしょうが、その頭の良さを違うことに使ってもらいたいものだよなあと(ま、皮肉含みですが)。
ともあれ、世の中、いいことばかりではないとすれば、やっぱり自らが、地方創生なども含めて地元自治体の税金の使い方などにも、ひと任せ(役所任せ、議員任せ)にしておいてはいけんという教訓を示してもおるのではなかろうかと思わざるをえないところでありますよ。国のやることにしても同じですけれどね…。
