このところ「今日は何の日」といったお話の登場機会が多くなってしまってますが、
ついつい関わることを思い出してしまった結果ということで。
実のところ、全く違うことを書こうと思っていたものの、
4月24日は「植物学の日」を知らされてしまいますと、
「それなら、やっぱりこの機会に」と思うことがあったものですから。
そも植物 は植物の種類ごとに環境などに最適であろう進化を遂げてきたわけですが、
その環境が変わると、あわれ、枯れ果ててしまうこともあれば、
逆に本来障害となるものがないことから蔓延するてなこともありますですね。
以前触れたセイタカアワダチソウ なんかの例もありますなあ。
一概には言えないかもながら、外来植物には
結構我が世の春を謳歌するてなことになるものが出てきたりするわけで、
これから触れようとしております植物も帰化植物の類いであるそうでして。
数年前からですが、春先に桜が終わって色とりどりの花々が目を楽しませてくれる頃合いに
道端のそこここにかたまって咲いている花が目立つようになっていたのですな。
中途半端な薄オレンジ色っぽい花とひょろりと長く伸びた茎は些かはかなげな雰囲気でもあり、
ともするとそのまま気にも掛けないでいてしまうところでもあろうかと。
ですが、個人的にはこの花に常々何かしらの邪悪さを感じており、
その来歴やら何やらを調べてみようかと思っていたわけですが、
時の流れに紛れてしまい、結局また翌春にお目にかかるという具合。
今年もまた目につくようになって調べてみたのがつい先週のこと。
そこへ「植物学の日」と来たものですから、こいつは知ったところをご披露申し上げねばと
思ったのでありますよ。
すでにここまでのところでお気付きの方は多数おいでと思いますが、
お察しのとおり、邪悪さが感じられるとしたその花は「ナガミヒナゲシ」というもの。
Wikipediaによれば2007年段階で青森県、沖縄県以外では日本全国で
繁殖が確認されているそうですから、見たことのある方は多かろうと思います。
写真でも撮って貼り付ければなおのこと分かりやすいのでしょうけれど、
元から抱いていた印象が調べたことで弥増した関係で、
写真さえ載せたくないという気になっておりまして。
とまれ、この「ナガミヒナゲシ」ですが、その邪悪さの最たるところは繁殖力でありますね。
花びらが散ったあと、中央に細長く残る実(そこから長実ヒナゲシと)の部分、
ここに何と「多い個体では15万粒の種子」が内包されているという。
可能性があるというだけとはいえ、一本の花が15万本に増えてしまうかもしれない。
見る見る大群落が拡張していくさまを思い浮かべると、空恐ろしくさえなってきますなあ。
さらには、根っこや葉っぱから周りの植物の生育を邪魔する物質を出すというのですから、
その邪悪さここに極まれりてな気がしてきます。
すでにして「生態系を乱す」として除去する動きもあるようなのですけれど、
まだまだ知られておらずに単に道端の花と受け流されているのではと思える状況が
街中のそこここに。
ヒナゲシといっても、丘の上であの人の心を占うものばかりではなさそうですので、
気をつけなくてはいけませんなあ。
うっかりして周りの道端ばかりか庭先や畑、そこらじゅうがナガミヒナゲシに侵食されていた…
なんつうことにならないように気をつけねばと、「植物学の日」の決意なのでありました。

