10年に一度くらい回ってくる町内のお仕事。

 

その集まりが開かれた。

一応、コロナ感染に配慮して、地区ごとの分散開催。

 

そこで、名簿とにらめっこで出席確認をしていたのが、

うちの息子の小中学校時代の同級生のお父さん。

 

久しぶりでもあり、マスクもあり、最初はだれだかお互いにわからなかった。

 

それから、名簿の名前が夫でないのを不審に思ったようで、

「あれ? だんなさんは?」と訊いてきた。

 

周りには数名の名簿チェックを待つ人びと。

 

「いません」

 

「え?」

 

「亡くなったんです」

 

「ええー!! いつ?」

 

まあ、ここまでは自然の反応だろうからしかたない。

 

でも、そのあとも、しつこく色々と訊かれた。

べつに今まで特に親しかったわけではない(親しかったら知ってるしね)。

 

それでも彼は好奇心を抑えきれず、死因などを探り出したかったようだ。

 

私は「病気でした」とだけ答えて、

あとはその人の息子さんのことに話を振ったのだが(長男と同級生だから)、

彼はどうしても話を夫のことに戻したがった。

 

話したくないオーラ出してるのがぜんぜん通じないムキー

 

家に帰ったら

「おい、知ってたか!」

って、奥さんに話すんだろうなあ。

 

想像しなくてもいい場面まで浮かんでしまった。

 

――でもね、あなただってそのうち必ず死ぬから。それは意外にすぐかもよグラサングラサン

 

そう考えて、私はこの件を終わりにした(つもり)。

 

わずかな救いは、このやりとりをそばで聞いていた別の女性が、

私に理解を示してくれたこと。

 

といっても、その人と何か話したわけではない。

ただ、私が「いません」「亡くなりました」と答えたときの

彼女の気配が、とても共感的なのを感じた。

 

(おそらく彼女も死別者。あとで、それらしきことを住居確認の時に別の人に言ってたのが耳に入ったから)

 

次男にこの話をしたら、

 

「まあ、しかたないよ」

 

息子の方が人間ができてるな。