本日の聴き比べはヴィーン少年合唱団によるヨハン・シュトラウス2世の美しく青きドナウです。

聴き比べたのは2人のオーストリアの指揮者です。

・ヘルムート・フローシャウエルHelmut Froschauer(1933~2019)

・ゲラルト・ヴィルトGerald Wirth (1965年生)

オーケストラ伴奏という点が共通します。

違いは、フローシャウエル盤は1954年11月録音のモノラルで、ヴィルト盤はデジタル録音のステレオです。

フローシャウエル盤(You Tubeは疑似ステレオです)

ヴィルト盤

 

感想は人それぞれですが、私はフローシャウエル盤の方が優れていると感じました。

理由は、1950年代の機材でも生命力に満ちた演奏をとらえているからです(実際にはもっと素晴らしい音が録音会場に響いたはずです)。

1970年代にヴィリー・ボスコフスキーが男声合唱を加えてレコーディングしていますが、その名盤をも上回る出来です。

現・ヴィーン少年合唱団の音楽監督であるヴィルトは無難にまとめており、ヴィーン少年合唱団が現在も少年合唱では世界最高クラスの実力であることを示しているものの、ヴィルトの前々任者であるフローシャウエル(ケルン放送管弦楽団の首席指揮者を歴任)は合唱もオケも扱える傑出した指揮者であったといえましょう。