今日は昨年の11月15日に続き、私の出自に関するお話です。

https://ameblo.jp/joseph-99/entry-12638040122.html

 

私には2人の父方祖父がいます。

父にとっては、実父(1899~1938/以下、ヨゼフ)と養父(1904~1987/以下、ヨハネ)になります。

祖母はヨゼフが結核で帰天した為、兄(1900~1987/父にとっては伯父)を頼って九州から東京へ移り住みました。

そして祖母は、周囲の勧めがあって1943年に兄の友人であるヨハネと再婚し、父はヨハネと養子縁組をしました。

こうして新たなスタートを切ったこの家族では、父はヨハネの実子よりも年長だった為、長兄としての自覚を求める実母(=私には祖母)から継子いじめにも映るような厳しいしつけを受けました。

さらに悪いことに、1944年にはヨハネにも赤紙が届き、フィリピンへ出征させられ復員は1946年でした。

ヨハネは血がつながらない私へも、実の孫と分け隔てなく愛情を注いでくれました。

つまり、私は実の祖父・ヨゼフのことを知らずに育ち、父方祖父母が再婚であることを知ったのは中学3年になってからです。

 

中学3年の夏にトンボ帰りで父方本家がある九州へ行き、初めてヨゼフの墓参となりました。

その折に、本家は父へ「九州にあるヨゼフの墓閉まいをし、自分の地元へ改葬してほしい」と求めてきました。

九州の本家の墓地には二つの墓標があり1つは【先祖代々の墓】で、もう一つは【ヨゼフ之墓】と分祀されていました。

分祀された理由は、ヨゼフが神道からカトリックへ改宗した為、本家は「先祖との合祀は認めない」という判断をしたことによります。

ヨゼフについてさらに詳しく知ったのは高校へ上がってからです。

・大伯父とは高校の同級生であったこと

・薩摩藩の下級武士の末裔であること

・小児科医であったこと

・当時不治の病だった肺結核で帰天したこと

又、本家は神道でしたが、祖母がカトリックだったことからヨゼフは改宗し、後々祖母が東京へ移り住むことにつながったことも知りました。

私が高校1年の時、父がヨゼフの遺骨を引き取りに九州へ行き、ヨゼフは当時私の一家が住んでいた町のカトリック墓地で眠ることになり、その20年後には父もそこへ入りました。

 

1987年の9月にヨハネが帰天し、私は初めて身内との死別を経験しました。

感情を押し殺して周囲にわからないように表情に出しませんでしたが、本当はものすごく悲しかったです。

葬儀が終わって1人暮らしの団地の1室へ帰宅してから、布団の中で大泣きしました。

私の心の中に生きている父方祖父はやはりヨハネなのです。