11/23(日)1530、東京は前楽、

友の会の当選でA席。

国際フォーラムの3階最前列のセンターにて、娘と。

花組Goetheチームは、大阪での上演に備え小休憩でしょうか?


国際フォーラムの階上の最前列は、手すりでなく壁なんですね〜。私の座高で(身長は156)背もたれに背をつけると、幕前のスペースは見えない高さで、なかなか圧迫感がありました。それ以外では全体として見え方はよかったです。




観劇の感想をいつもあふれ出るままに書いてしまっていますが、この一ヶ月、月組の『ガイズ&ドールズ』』

、東宝の『エリザベート』、そして花組の『Goethe』と三者三様のミュージカルを拝見してきて、公演の持つ要素は複雑で、作品そのものと、出演者は分けて考えたほうがよさそうだとあらためて思いました。

それを踏まえて分けて考えると、


①作品については、一面は脚本、楽曲、舞台装置など芝居を構成するハード面。他面では登場人物の動き、感情の起伏、他者との関わり具合などから、観客の自分を揺さぶるポイントはなにか?が評価のポイント。

すごくシンプルに言えば、好みかそうでないか。

(良作か駄作かは別の視点です。)


②出演者については、(つくりこむにしても、そもそも)ビジュアルを含めキャストに似合った役か、力量は不足していないか、役柄をどう捉えているか、などがからみあって「〇〇さん、とってもよかった〜!」のような感想がわいてくるかのかなーと。


せっかくなのでこのルールに沿って考えてみます。


①作品そのものについて

楽曲も軽妙、装置もシンプル(お金がかかってない)、若きゲーテ本人の良い意味の軽さもあって、受け入れやすく仕上がっていた気がします。旧来のミュージカルっぽさからみたら、ドイツミュージカル(ほぼ)初の日本お目見えということもあって、たぶんに実験的な印象も受けました。

脚本については、ベースとなった作品とも若干違っていたと思いますが、ロッテはヨハン(=ゲーテ)の才能を見抜き、自分が彼を見捨てたと思わせることで彼の輝かしい未来を守った形。かつ、自分自身や家族の将来の安定も得たという堅実さです。ずるさも感じる一方、自己犠牲も否定できません。自分のまっすぐな本心に従って、家族を捨ててヨハンを選ぶこともできなくはなかったと思いますから。

ここでは当て馬にされたケストナーも、過程はともかく考えようによっては一番望んだものを手に入れられたわけで、あとはロッテの父親の言うように時間が解決してくれるといいなーと思います。昔も今も、長い将来にわたる結婚は勢いだけではリスクが伴うことも真実です。男も女も打算と忍耐。それに愛情が伴えば言う事なし。


②演者について

番手の縛りがありますから、主人公とヒロインについてはどうしようもありませんが、こういうやんちゃな?少年のような役が本分ではなさそうなひとこが、よく寄せていました。さすがだと思います。

美咲ちゃんロッテは、しっかり者の長女であり、純真な恋心をだいじにするひと。可憐ではありますが彫りの深い派手な顔立ちではなく(あくまで私見です)、おそらくご本人の控えめな性格?(想像です)もあるのか、生まれと性格はいいが薄幸の役柄が似合いそう。そういう意味で役柄は似合っていたかと。

そしてこの二人の歌唱の掛け合いは本当にすばらしかった。ほかの出演者とは群を抜いて滑舌がよくて、さほど集中して聞こうとしなくてもノンストレス。最後は感情のぶつけ合いになるのに、歌唱は少しも乱れることなく、物語に引き込まれました。「燃やしてしまえばいい」「そうね!」というやりとりが、ヨハンを深く思ってのウソなんだからな…切ない。


ケストナー役の侑輝大弥は、一番合っていたのでは?

真面目な堅物、仕事はできるがそれなりに厳しく、男女の関係には不慣れで一途な役柄。前回歌はもう少しがんばってほしいとは書きましたが、ケストナーの不安定な歌唱が、却って揺れ動く彼の心を思わせてテクニックを超えてよかったと感じました。身長も高く、押し出しが立派。実力の伴ったエリート然としたたたずまいにも説得力がありました。丸顔の多い今の花組男役の中で、希少な顔立ちだし雰囲気を持っていると思います。最近台頭著しい希波らいとが陽のムードなのに対して、陰影のある役が似合いそう。脇においても使い勝手がいい役者でしょう。これからも楽しみですね〜


考えながら書き足しているうちに、もう次の観劇の日になってしまいました。また何か思い出すかもしれませんが、とりあえずアップします〜