2017-09-23

ルージュの手紙

テーマ:映画
カトリーヌ・ドヌーヴ、カトリーヌ・フロという二大スター出演『ルージュの手紙』をマスコミ試写会で拝見。
原題はSage-femme(助産婦)。カトリーヌ・フロがまさにそのタイトルロールの、助産婦を熱演します。そして、その彼女のもとに30年ぶりに現れた「お父さんの妻だった人(血のつながらない母親)」を、ドヌーヴが見事に胡散くさく、そして美しく演じています。
なぜ「助産婦」の話なのかというと、マルタン・プロヴォ監督が、自身が出生してくる際、助産婦に命を救われたからなのだそう! この映画はそうした「身を尽くして他人のために働くあらゆる女性たち」に捧げようと生まれた作品だということです。それだけに、いくつもの出産シーンがとてもリアルに、いきいきと映し出されます。

日々一生懸命働く助産婦が「アリ」なら、他人に寄生しつつ享楽的に暮らす元継母は「キリギリス」。この対比や、キリギリスとアリがお互いに微妙に影響を与えあうさまが、この映画の面白さです。大人を唸らせる、この冬必見の作品!
マルタン・プロヴォは『セラフィーヌの庭』も『ヴィオレット ある作家の肖像』も素晴らしかったし、女性を描かせたらナンバーワンの、凄い才能。
21世紀になってもなお「女の人生なんて天下国家に関係ねえだろ?」と思っている人々がけっこう多いらしき世界の中で、プロヴォ監督のような素敵な芸術家が存在してくれるのは、光です。

ビタースイートな人生を、暗くもなく重くもなく、丁寧にウィットたっぷりに描く、『ルージュの手紙』は12月ロードショーだそうです。





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