井草源流探訪 | 上京パンダ

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東京四年目のパンダ。

今更ながら東京都心がハロウィンでざわめいていた頃、都心の喧噪に疲れ杉並区の井草あたりをのんびり散歩。二つの川の源流を訪ねる。
西武新宿線に乗って下井草駅へ。住宅地が広がる郊外の街。駅前はこじんまりとしていて並ぶお店からは生活感が漂う。
人通りはそこそこあって、ハロウィンのイベントでちょっとにぎやかなくらい。ハロウィンのかざりがあちこちにあって、子供たちがそれぞれ思い思いの仮装をして親とともに歩いている。手にはお菓子を入れるためだろうか袋を持っている。商店街のお店をまわってお菓子をもらう催しのようだ。トリックオアトリートが日本でもずいぶん定着したもんだ。楽しそうに騒ぐ子供たちを横目に住宅街へと入っていく。



路地を進むとすぐに猫レーダーが反応!さっそく下井草の猫さんに遭遇!はやっ!ガレージにぼーっと佇む三毛猫さん。穏やかな空気の中のんびり過ごしているようす。後方から茶まだら猫がてくてくと歩いてきて、三毛をかわして道沿いに歩いていく。すたすたとついていくと、とあるアパートに入っていく。見るとアパートの階段にはほかにも数匹の猫がいた。下井草の猫アパート。家賃滞納しまくってそう。




住宅街をぶらぶら。新しめの家や大きなお宅も多いような。ここらを東西に流れる妙正寺川沿いをゆらり。川の水量は少なくなんとか流れている感じ。川沿いののどかな風景はやすらぎを与えてくれる。早稲田通りを渡って川の源流にあたる妙正寺公園へと向かう。直前にかかる妙正寺橋の橋名板の文字が、なんだか素敵な感じになっている。味があっていいね、ちょっと読みづらいけど。



川の水源になっている妙正寺池を訪ねる。公園の真ん中にあるやや大きめの池。まわりは木々が茂り、ぷかぷかと浮く水鳥たちが水面を揺らす。のどかな池まわり。ここから流れ出した水はくねくねと東へ流れ、杉並区を抜けて中野区を横断し、新宿区に入ると神田川に合流、やがて隅田川へと注ぎ込まれる。長い旅のはじまりの地。お気をつけて。




公園をあとにして西へとぶらぶら進む。大きな環八通を越えて始まりの地の向こう側へ。ここからまっすぐで長く伸びた道が多い。地図で広めの公園を見つけ寄ってみる。桃井原っぱ公園。名前の通りほぼ広い原っぱで構成された公園。親子連れがたくさんいて子供たちが元気いっぱいに遊んでいる。公園の周りには大きなマンションが立ち並んでいて、少し新しい一角なのかも。子供たちのにぎやかな声を背に井草八幡宮へと向かう。



大通りの青梅街道にぶつかると、向かいに八幡宮さんが見える。参道入り口には大きな鳥居がたっていて、それをくぐると長い参道が参拝客を出迎える。長くまっすぐに伸びた参道の両側は背の高い木が生い茂っていて外の世界とを区切っている。明治神宮の参道に似た少し薄暗い参道で、神々しさが増している。しばらく進むと建物が見えてくる。手前にある門は朱塗りで派手だが、一番奥にある本殿は彩色の少ない落ち着いた渋い外観。こちらも明治神宮みたいな厳粛な感じが出ている。夕方遅めの時間だったが人はそこそこいてお宮参りの家族連れも。散歩の安全を祈念し井草八幡宮をあとにする。




日が落ちてきたので、早足で二つ目の始まりの地、善福寺池へと向かう。こちらは善福寺川の水源になっていて、池を含めた善福寺公園という大きな公園になっている。善福寺川は杉並区を真っ二つにするように東西に流れていて、中野区との境界にて神田川に合流する。夕暮れの善福寺公園へと入る。ベンチでくつろいだり、ジョギングする人も多い。公園は南北に細長く池は上池と下池の二つに分かれている。広い方の上池にはボートが出ていたり、たくさんの水鳥がいたり(なぜか等間隔で並んでいた!)、弁財天があったりする。暗闇に包まれていく夕刻の池を眺めながら一息つく。今日が終わっていく、さあ帰ろう。




暗い上井草の住宅街をすたすたと抜けて、上井草駅の方へとやってくる。もう少し歩こうと思ってちょっとだけ北へ。ちいさな美術館の前で写真を撮ったり、井草森公園があまりに真っ暗で通るのを断念したりしながら、新青梅街道沿いにぶらぶらして最後は井荻駅まで戻ってきた。下井草駅と上井草駅に挟まれた井荻駅。井草駅とか中井草駅にならなかったのには、涙なしでは語れない深いいきさつがきっとあったのでしょう。知らんけど。
二つの川の源流を巡る井草散歩。のんびりとしたハロウィンになりました。

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