西葛西・野鳥と地下鉄の楽園 | 上京パンダ

上京パンダ

東京四年目のパンダ。

真冬に夏の話。なぜかずっと描いてなくて去年の夏ごろの東京と千葉の境界、葛西をぶらり。

葛西臨海公園駅で下車。子供連れの姿が目立つ。駅を出るとすぐに公園になっている。

駅前には大きな噴水があって涼しさを演出している。まわりではしゃぐ子供たち。噴水の向こうには観覧車が見えている。いざ公園へ突入!
駅前から続く広い通りを進むと中央広場。人でにぎわう広場を避けて細い横道に入って野鳥ゾーンを目指す。今回の目的は東京の端にある野鳥の楽園へたどり着くこと。東京砂漠で夏の楽園探し。エル・ドラド。




細い道を進んでいく。まわりは木々が茂り森の小道みたいな感じ。耳をすますと鳥の声が聞こえる。楽園はもうすぐそこだ!

突如、茶色の岩山が出現!岩山風にカモフラージュされた観察用のスペース。小窓がいくつもあってそこから楽園の中心の水辺(湿地?)を見ることができる。

岩山の中に入ってまどから池を眺める。遠くに白い鳥たちがのんびりくつろいでる。水辺の景色が広がり遠くにも小さな鳥たちがちらほら見える。東京にあった野鳥の楽園をついに見つけた!
岩山には他にも冒険者が何人かいて、でっかい望遠レンズのついたカメラを構えてシャッターチャンスを狙っている。一人で黙々と被写体を追いかける人もいればカメラ仲間と静かに話ながら楽しげなグループまで。野鳥好きと写真好きにとっても楽園になってるのね。玄人に交じって素人まるだしのデジカメ軽装パンダが一人。
岩の祠を出て池をぐるりと回って海側へと向かう。



林がひらけて旧江戸川の河口付近に出た。向かいはかの有名な夢の国。火山やお城やなんか分からんけど大きな建物が小さく見えている。野鳥の楽園の向かいは人間の夢の国。パラダイス密集地。あちらはたくさん人がいるんだろうな。こっちは静かでのんびりしてるよ。
道を進むと海が見えてきた。何かの船の乗り場があったり人でにぎわう水族館もある。
道沿いに卵型の街灯を発見。真っ黒たまご。鳥のイメージ。
真ん中の柱がななめになった橋が見えてきた。橋の向こうは海水浴場になっている。東京都内ではほとんど見られない海水浴場。夏の砂浜は人でにぎわう。
公園内を少しふらり。広い芝生の広場や観覧車、いろいろあって多くの家族連れでにぎわう。野鳥の楽園は都会人のオアシスでもある。

楽園を出て葛西の街へ繰り出す。




団地や工場が並ぶ郊外らしい街並みをみながら進む。新左近川にかかる橋の横に人が通る桟橋みたいな通路を発見。しっかりしてるものの壊れたりしないよねと少し心配しながら渡る。川にはアヒルボートとコーヒーカップボートが並んで浮かんでいた。
渡った先から親水公園になっていて、ずーっと小川沿いに緑地が続いている。子供が遊んでいたりするがそこまで騒がしくないのんびりとした空気。
小さな公園にライオンを発見。穏やかな顔つきなうえに鼻からなぜか赤い線がついていて鼻血みたいで王者の風格はあまりない。まわりは団地が多く公園もあちこちに点在している。

葛西の街を東へ進む。



ここまでまったく猫を見かけず、この地域は猫があんまりいないなと思っていると、ようやく第一ネコに遭遇。アパートの前でお昼寝中の薄い茶色と白の縞々猫さん。こちらに気付き鋭い目線を向ける。こわもてな顔つきの猫。一定の距離をとりながら不審なパンダの様子をうかがう。仲良くなれそうにないのでお別れ。

しばらく歩いたとあるマンションの隅の工事の足場の下で、お昼寝中の猫さん二匹を発見。まっしろさんと白黒さん。二匹仲良く寄り添いながら気持ちよさそうに寝ている。白黒猫はこちらに気付きいちべつするも再び目を閉じて夢の中へ。むっちゃ気持ちよさそう。近づかないでそっと離れた。



団地が多かった地区を抜けると一般的な住宅地が広がる。

左近川沿いを歩いていく。左近川は細く東西に流れて葛西の街を横断する川。川に沿って親水公園もずっと続いている。川沿いの歩道になぞの像を発見!空を見上げる人?なのだろうか。不気味とまではいかないがなかなかシュール。
川沿いから北に向かい住宅地を進む。民家の玄関先の植え込みの中に猫さんがいた。灰と黒のしま猫さん。目があい両者に緊張が走る。張りつめた空気の中パンダは一歩足を踏み出す。その刹那、猫は茂みの奥へと消えて行った・・・邪魔してごめんね。
小さな神社で旅の安全を祈願。大通り沿いには大型店舗や会社のビルなんかもあるけど、一筋奥に入ればのどかな住宅地といった感じの街並み。ところどころ畑もあって、とうもろこし畑には大きなとうもろこしが実っていた。季節を感じる光景。真冬なのに夏の話。




広い環七通を北上し地下鉄葛西駅に到着。駅のすぐ隣にあるのが本日のメインイベントである地下鉄博物館。鉄道好きの楽園といったところか。
入口で入館券を購入。この入館券が面白くて、電車の切符みたいな形と材質になっていて、入口の自動改札を通って館内に入るつくりになっている。これは電車好きは楽しいだろうな。
入ってすぐにたくさんの車両が目に入ってくる。何台もまるごと一両ずつ車両が置かれていて中にも入れる。昔の車両から最近のものまであって、それぞれうろうろと見て回る。子供が多くてあちこちではしゃいでいる。昔の上野駅のホームも再現されていてレトロ感が漂う。ホームに止まっているレトロな車両に入る。乗客の様子を再現した人形が置かれていて一瞬びくっとする。つり皮や注意書きなど細部を見ていくと面白い発見がある。昔の列車の乗り心地はどんなだったのかな。






車両陳列コーナーのほかには地下鉄の歴史としくみが学べる展示がたくさんあり、そこまで広くない館内に所狭しと展示物が置かれている。日本の地下鉄発展の歴史を勉強しながら進む。よく地下深くにこんな巨大な構造物を造れるもんだ。人間のすごさを改めて感じるパンダ。
運転シュミレーターには子供が行列を作っていた。子供たちがあんまりいない電車の細かい仕組みや部品の展示や歴代のミニ車両を眺めたりしてまわる。大きなジオラマで東京の街を再現していてそこを走り抜ける電車を観たりもできて結構楽しめる。

中でも一番大きな展示が地下鉄のトンネルで、レールと半円状のトンネルが輪切りの状態で展示されている。普段地下鉄に乗っていると見られないところを見ることができる。細かな設備や配管があったり壁面は思いのほか凹凸が多い。
展示も多く長時間楽しめる博物館だった。まさに鉄道好きな大人と子供たちの楽園



博物館を出て西葛西駅まで一駅歩こうと思って、ふらふら進んでいると突然の夕立!
あわてて引き返して葛西駅へ戻る。楽園の街・葛西を後にして家に帰る。地下鉄に乗って。


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