本田健作、星井博文シナリオ、松枝尚嗣作画で、原作は未読である。
 

 物語は、バイトをしている主人公の元に、半年前に亡くなった祖父から9つの手紙が届いたところから始まる。亡き祖父は大富豪だったが、遺産は残していなかった。代わりに残したのは、「人生でいちばん大切なものを学ぶ機会」であった。
 

 冴えない主人公がその手紙を読み進めながら、その内容に従って行動することで徐々にその人生を変えていくというのが大雑把なストーリーである。
 

 我々著者は、主人公とともに偶然、決断、直感、行動、お金、仕事、失敗、人間関係、運命という9つの手紙を読み、お金や仕事、幸せについて学ぶことになる。
 ところどころは自分にも当てはまるようなところもあり、おおよそ腑に落ちた。それでも現状がこの状態にあるのは、決断や行動ができていないということなのだろう…。
 

 

 一応良いと思った言葉の数々を記しておきたい。
 

・「いいことも、悪いと思うことも、いずれ自分の幸せにつながっていく」とわかっていたとしたら、何を心配する必要があるのだろう?
 すぐに悪いこと・失敗などを想像して行動ができなくなる。すべてが自分が良くなるためだと思い込めれば怖気づかなくなるだろう!
 

・シンクロニシティを見つけるコツは、たとえば、カフェに入ったら、知り合いがいないか、ぐるっと見回すようなシンプルなこと。電車に乗ったとき、映画館やコンサートに行ったとき、横断歩道を渡るとき、「知っている顔」がいないか、ちょっとだけ時間をとって、あたりを探してみなさい。
 周囲に注意してみたい。
 

・「ダイエット」や「禁煙」にみんな挫折するのも、「うまくいった未来の自分」をイメージすることができず、「目の前の快楽」を選んでいるから。
 達成することで得られる、具体的な理想の像をイメージする。
 

・「宿命」は、宿る命。自分が生まれたときに決まっているもの
 「運命」は、運ぶ命。どうやって生きるかは、キミが自由に決められる
 宿命に縛られず自分で選ぶことを心がけたい。
 

 原作を読みたいとは思はなかったが、興味深いマンガではあった。また、自分の生き方や人生に対する捉え方ががそれほど間違っていないと励まされた感じを受けた。いよいよ行動に移す時だということを教わった気がする。背中を押してくれたのかも…。