15年に買ったものを今頃初めて読んだ次第である。
 

 本書はジョジョの作者荒木飛呂彦による漫画作りにまつわるノウハウを書いた新書である。わざわざそのようなことを明かしたのは、これまでお世話になった漫画界に対する恩返しのような気持ちだと、はじめにで述べられている。すなわち今後の漫画界がさらに発展するよう次世代の力になれればということである。
 

 ジョジョの他に、初期のビーティーやバオーから最近の岸辺露伴などを挙げ、どのように考え何を狙ってこのシーンを描いたかなどが詳しく説明されていて、ファンとしてはとても興味深いものだった。著者は、初期作の反省などを経て着実に進化し続けていて、やはり並の漫画家ではないのだと思った。そしてこれからも応援していきたいと思った。
 他の漫画や漫画家, 映画等にも述べられており、様々なものから吸収・インプットし、それから独自のアイデアを注ぎ込み魅力的なアウトプットを続けているのだと知ることができた。
 オレはマンガはおろか何のエンタメを生み出すつもりも能力もないのだが、非常に惹きつけられた。おそらくそれは、ブログとかスピーチなどにも通ずるものだと思う。様々な着眼点も参考になった。エンタメについてまた新たな見方を提供してもらえたと思う。そういう意味でもとても面白かった。