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熊本久々リーグ復帰も千葉に完敗 巻泣いた…次こそ

 

<明治安田生命J2:千葉2-0熊本>◇第13節◇15日◇フクアリ
日刊スポーツ 5月16日(月)8時5分配信


熊本地震の影響で活動を休止していたJ2熊本が、1カ月ぶりにリーグ戦に復帰した。アウェーで千葉と対戦。ブランクに加え、インフルエンザまん延の影響もあり、0-2で敗れた。それでも、ピッチ外でも被災者支援に奔走してきたFW巻誠一郎(35)を中心に、最後まであきらめない戦いぶりをみせた。

 

涙が止まらなかった。試合後、巻はチームメートとともに「がんばろう! 九州・熊本」の横断幕を持って場内を1周した。古巣千葉のサポーターからも送られる拍手に、手を振って応じるうち、涙で視界がゆがんだ。周囲も涙していた。

千葉対熊本 試合後、横断幕を持ち

場内1周する熊本イレブンとFW巻(左端)

 

 

「みんな避難所を回って物資を届けたり、炊き出しをしたり、子供とサッカーしたりして、熊本の現状を自分の胸に刻んできました。エールの中で、そういう思いがよみがえった」

1カ月ぶりの公式戦。準備期間の実戦形式練習は、長くても45分間だった。後半はいわば、未知の時間帯。「苦しくて、何度も足が止まりそうになった」。それでも巻は走り続けた。

「熊本で苦しい思いをしている方たちの顔が思い浮かんだ。それに比べたら、僕らがきついのなんて大したことはない。そういう思いが足を動かした」

前半29分には、空中戦で左ほおを強打。試合後の取材エリアでも、鼻血が流れ続けるほどのダメージだった。「経験から言えば、骨折しているかも」。それでもすぐに立ち上がり、プレーを強行した。

この試合で熊本は、インフルエンザで主力3選手を欠いてもいた。GKには今季初出場の益城町出身、畑が入った。0-1の後半29分。畑はパスの出し先を探す間に、ボールをさらわれるミスで失点した。

「試合を壊してしまった」と自らを責めるGKの肩を、巻は力強くたたいた。「大丈夫だ。下を向くな。みんなが助けるから」。そう言うと、チームを鼓舞するよう、最後の力を振り絞り前線を走り回った。

「畑は益城町の自宅もなくなって、ずっと避難所で生活していた。特別な思いで試合に臨んでいることも、精神的にも肉体的にも準備が難しかったことも、みんなが知っている。彼が下を向くというのは、チームが下を向くのと一緒。下を向いてほしくなかった」

声をかけ合い、助け合い、最後まであきらめずに走った。同僚や地元熊本の仲間と手を携え、被災者支援に奔走してきた巻の姿に重なる戦いぶりだった。

それでも巻の胸には無力感が残った。場内1周後、いつも一緒に避難所訪問をしてきた主将のMF岡本と、ウオームアップエリアで2人きりで話した。「うまくいかなかったな。熊本に勇気を届けられなかった」。そうつぶやき、涙した。

本拠地うまかな・よかなスタジアムは地震の影響でまだ使用できない。次節、ホーム扱いの水戸戦は、J1柏の本拠地を借りて行う。遠征続きの厳しい戦いは続く。それでも巻は「熊本に勇気を届ける勝利」を目指し、懸命に走り続ける。【塩畑大輔】

<熊本の地震以降>

【4月】

◆14日 練習後、午後9時26分「前震」。

◆15日 全体練習。

◆16日 午前1時25分「本震」。全体練習が中止となり、29選手中19人が県外に脱出。

◆17日 京都戦(西京極)中止。

◆19日 熊本FW巻らが益城町の避難所で、約30人の子どもとサッカー。

◆21日 チームミーティングを開き、5月15日千葉戦でのリーグ戦復帰を決定。

◆23日 横浜FC戦(うまスタ)中止。

◆25日 自主トレ開始。選手14人、スタッフ12人が参加。DF槙野ら浦和、神戸から選手6人も現地入りし、サッカー交流会に合流。

◆29日 山形戦(NDスタ)中止。

【5月】

◆2日 全体練習再開。

◆3日 愛媛戦(うまスタ)中止、U-23(23歳以下)日本代表の手倉森監督が熊本の選手たちを激励。

◆7日 札幌戦(札幌ド)中止。

◆8日 地震後初の練習試合。

◆14日 地震から1カ月。非公開練習後、千葉に移動。

◆15日 リーグ復帰初戦で千葉に0-2と敗れる。