対象物に集中すること。
アーサナで身体が整えられ、プラーナヤーマで心が精錬され、
プラティヤーハーラで五感がコントロールされると、次にダーラナーという段階に入ると言われています。
心を一つのもの、一つの場所、対象、あるいは印象に縛り付け、
完全に心をそれに没頭し固定させること、自身の心を躾けているということです。
通常、私達の心は、あちこちさまよっています。
それを一箇所に固定しようとしても、すぐにその場所を離れてしまいます。
そこで、心を一箇所に固定しておく、取り組みやすい方法を紹介しましょう。
例えば、美しいバラの花に心を固定しておきたい時、それを始める一番良い方法は、目の前に実物のバラの花を置くことが、心にとって簡単な方法です。
そしてバラ一点を凝視し、ときにはまったく瞬きせずに見つめること、
しかし眼を緊張させずに出来ると良いです。
対象(ここではバラの花)をできるだけ長く、ただ見つめるのです。
しばらくしたら静かに眼を閉じて、バラの花を心の中に描き出してみます。
まず外にあった対象物を心の中に持ち込む努力をするのです。
さらにしばらくすると心の中のバラの花は消えてしまう、
そうしたらまた眼を開きバラの花を確認しましょう。
この作業をただただ繰り返し行なうことで、徐々に心の中だけで印象されたものを描き出すことが出来るようになります。
心が外へ走る、内へ引き戻す、また走る、また引き戻す、
こうして心を躾けていくことで、次の段階“瞑想”へ自然と進むことが出来ると言います。
日々の日常の中でも、目の前の事に集中し、自分の役割に没頭することが出来れば、とても充実した日々にも繋がるのだと思います。