様々な作曲家の歌曲。 | ピアニスト竹村浄子オフィシャルブログ ~An die Musik~

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こんにちは。

いつもブログをお読みくださりありがとうございます。

このアメーバブログのほかにインスタなどはあげられていないのですか?
と、メッセージ箱のほうにご質問をいただいたのですが、私はツィッターもインスタグラムもやっておりませんので、公式な個人の発信はこのアメブロだけになります。

ブログは早朝や深夜などに書き溜めることができ、時間のあるときに無理せず自分のペースで更新できるので有難いです。

このアメブロも始めてから11年ほど経つので、けっこう長く続いています 笑。

更新の期間があいてしまうこともありますが、これからもマイペースで綴っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。


来月に控えている二つの演奏会では様々な作曲家の歌曲がプログラムに入っていて、毎日それぞれの作曲家の音の世界と向き合っています。

歌曲というのは、詩と歌とピアノで構成される作品です。

シューベルト、メンデルスゾーン、R.シューマン、ブラームス、フォーレ、アーン。

六人の作曲家の歌曲と向き合う毎日。

ドイツ・リートとフランスのメロディーとでは趣きが異なりますが、同じドイツ・リートにおいても、四人の作曲家の音の扱い方、和音の進行、言葉の置き方も違い、どの作曲家の作品もすばらしくて、時間を忘れて弾きこんでしまうほど。

特にブラームスの歌曲は久しぶりに弾くので、あー、このハーモニー!あー、このリズム!とどっぷりとブラームス ワールドに浸かっている私です。

歌手の方とはたびたび共演しますが、オーケストラの代わりに奏するオペラやオペレッタの作品よりも、もともとピアノのために書かれた歌曲のほうが弾き甲斐があるのは事実です。

歌曲のピアノ パートは、詩を伴った歌の旋律に寄り添いながらも大らかに包みこむ役目があります。

花や樹木にとっての大地、星にとっての宇宙的空間、といったところでしょうか。

シューベルトは大半を頭のなかで作曲した人なので、ある歌手の方は実は歌いにくい、とおっしゃっていました。

600曲もの歌曲をほとんど頭のなかで作り、ペンを走らせたのですから、本当に天才としか言いようがありませんよね。

しかもどの曲も美しく深い。

シューマンはシューマン独特の詩と音の捉え方があり、ブラームスとはまた違う内に詰まった魅力があります。

そしてフランス歌曲。

フォーレの歌曲は学生のころに弾く機会に恵まれ、かなりたくさん弾きましたが、詩からのイメージがそのまま音になっており、自然な流れと表現が特徴的です。

100曲余りあるフォーレの歌曲について、弟子でもあったラヴェルはこう書いています。

「フォーレの歌曲を研究することなしに、この作曲家の真価を理解することは不可能である。彼の歌曲は、ドイツのリートが支配していたヨーロッパの歌曲に、フランス音楽の価値を示すものだった。」

そして、フォーレの人柄も含めて、

「個人的な発露や情熱の表出において控えめ」
「最もつつましい心の故郷への接近」
「静かででしゃばらず穏やかで微妙な表情やふるまいのため、飽きさせることがない」
「思慮深さが強みになっている」

などの言葉で賞賛しています。

一方、アーンの歌曲は今まで二〜三曲ほどしか手がけていませんでしたが、今回「クロリスに」と「至福のとき」の二曲に出逢い、その美しい響きの魅力に改めて心動かされています。

ベネズエラに生まれ、フランスで活躍したレイナルド・アーンの歌曲は、日本ではあまり知られていませんが、フランスではフォーレの歌曲とともに今でも愛唱され、人気の高い作品が多くあります。

早熟の天才と言われたアーンはほとんどの作品を20歳までに書いていますが、「クロリスに」は42歳のときに書かれています。

ピアノ パートはまるでJ.S.バッハの管弦楽組曲「Air」(G線上のアリア)を思わせるようなバロック調の音型。

詩は17世紀の詩人テオフィル・ド・ヴィオーの作。

美しい作品なので、ぜひお聴きください。




今日もピアノと向き合います。

みなさまも笑顔あふれる一日をお過ごしください!


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クロリスに

クロリス
君が僕を愛しているというのが本当なら
どんな王様だって僕ほど幸せを
感じているとは思えない
死のなんと煩わしいことだろう
それが僕の運命を
神の至福に変えてしまうとしても
アムブロシアについて語られるどんなことも
僕の幻想を掻き立てることはない
君の美しい瞳に比べれば