-星ドラStory日誌vol.006-第1話<新たなる雲海の星>第5幕「秘術を巡って」 | “GIGS”CASE OF JOGIH

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★魔道士リザの冒険譚★
-星ドラStory日誌vol.006-
第1話<新たなる雲海の星>第5幕
「秘術を巡って」

アタシは魔道士リザ。
そして新たな・・・冒険王姉弟の一人です。
祖父である初代冒険王ガイアスの
意志を継ぎ、日々、冒険の旅をしています。
さて本日の冒険日誌爆  笑

宇宙政府を裏切り、義勇軍に寝返るという
上級執行官マレドーを保護するべくチタヌ
洞窟へ向かったという義勇軍2番隊。

けどマレドーには厳しい追っ手が放たれてる。
マレドーと2番隊の身を案じたオリオリと
アタシ達は急いでチタヌ洞窟へ向かった。

そこには!
この星に来てからという限定の話では
あるけれど、確かに一番大きな規模の
魔物の軍勢が押し寄せていた。
上級執行官が裏切るという、やっぱり
宇宙政府としてもただ事ではない事態
だってのがわかるわね。

特に洞窟の最下層で2番隊らしき人たちを
取り囲んでいたマドハンドの大群。
そして群れを統率するひと際大きい
マドハンド。
こんな魔物は出遭った事がないっ!
さすがにアタシ達も手を焼いたわ。

ううん、強いってわけじゃないんだけど
雑魚のハンドを倒した瞬間に新しい仲間を
呼ぶの。その呼ぶスピードがまさに
ギガ級だわ。

序盤はアタシ達も牽制の意味で全体攻撃で
雑魚ハンドを一掃しようと試みた。
大方の雑魚ハンドはあっという間に
仕留めたけれど、やっぱり本体というべき
デカいマドハンドは生き残ってる。
コイツが生きてる限りは際限なく
雑魚ハンドを呼ぶようね。

うん、ラチがあかない。
アタシ達は狙いをデカハンドに切り替えた。
まずコイツを仕留めてから雑魚を
一掃しよう。

と、不意にデカハンドが床へと潜り込み
姿を消した。まさか、やっつけた!?
いや、手応えはないわ。
と、次の瞬間、レイファンの目の前の床が
盛り上がり消えたはずのデカハンドが
現れた!!

「キャアぁぁぁぁ!!」

現れたデカハンドはレイファンの足を掴み、
彼女を空中へと連れ去った!!
クっ!!
なんという攻撃!!
まさか地面に潜って移動してくるとはっ!!

デカハンドはレイファンの足を掴んだまま
彼女を2度3度と空中で、こともあろうに
振り回し始めた。
あれでは目が回って戦闘どころじゃないっ!
なんとかヤツからレイファンを
引き離さないと!

しかし妹を人質に取られては迂闊に
全体魔法は使えないわね、彼女を
巻き込んでしまうわ。

アタシはデカハンドの足元
(と言っていいのかな?)へ狙いを定めて
威力を絞ったメラゾーマを放った。
これで多少のダメージは与えられるはず。

するとデカハンドは意外にも機敏な動きで
横に移動しメラゾーマを避けたのっ!

「な!?避けただとぉっ!」

モガ丸が叫ぶ!
確かに。その巨体からは想像し難い
動きでメラゾーマの火球をかわした。

アタシは次の手に思考を巡らせる。

「リザ姉っ!それでいいよ、呪文で
敵の動きを牽制するんだ!」

隣で雑魚ハンドを振り払っていた
ジョギーがアタシに指示を出してきた。
そして彼はウン、と頷き手に握っている
剣をポンっと叩いた。

そうか、わかったわジョギー。
アナタの作戦が。
アタシも黙って頷き返し、すぐに呪文の
詠唱を始めた。

今度は軽めの呪文メラミを連続で放った。
ただし敵のど真ん中ではなく、
少し右側を狙った。
当然、敵は左に避ける。
そこをジョギーは逃さなかった!

レイファンを掴んでいる指であろう
部分の根本を剣で一閃!!
敵の親指と人差し指であろう部分と
レイファンが空中に舞う。
弟はすかさず妹をキャッチして
すぐさまアタシの元へ駆け寄るっ!

指を切り飛ばされたデカイマドハンドは、
魔物ゆえ痛みを感じないのだろうか、
悶絶するような素振りは見せなかったけど
確かに一瞬怯んだ。
アタシはそのスキを見逃さない。

すかさず本命の呪文を連続で唱えた。
ギガデインとイオナズン!

バチィ!バチバチバチィィィッ!!
キュイィィィィィン、ドガァァァァァァン!!

群れを統率する巨大なマドハンドもろとも
雑魚のマドハンドも全て一瞬で消え去る。
統率者が仲間を呼ぶスキなど
もちろんありはしなかったわウインク

ふぅ、少々手こずったけど弟の機転で
なんとかやっつけた。
もはや、阿吽の呼吸ね。
一瞬でお互いの考えてる事がわかるウインク

戦闘が終わりを告げた。

一番隊隊長のドゥエインがアタシ達に
駆け寄ってくる。

「すごい!さすがですなぁ!!
魔物達も強かったがリザ殿達は
もっと強いっ!!!
このドゥエイン、感服いたしました!!!」

うん、これで名実ともに義勇軍の
仲間として認められたかな。
いくらブルリア星の冒険王だなんて
伝え聞いたところで
実際に目で確かめないと
納得できないもんね、人って。
みんなの前で実力を示すことが
できてよかったわ照れ

「ごらんなさい!
あそこに2番隊のみんなが!!」

「おぉ!クサロ!」

「ドゥエイン!?それにボロン!
ああっ!オリオリ様まで!」

「こいつはクサロ。
義勇軍2番隊の隊長だ。」

やっぱり、マドハンドの群れに
囲まれていたのは2番隊の人達だったのね。
で、このキリリとした青年将校らしき人が
2番隊隊長・・・!
クサロさんね。

「無事か?クサロ。」

「あぁ、おかげでな。
マレドーを保護したのはいいものの、
魔物に囲まれ立ち往生して困っていた。
で、今、魔物を倒したこの方達が
例の・・・?」

「あぁ、冒険王リザ達だ!
そしてオイラはモガ丸。
コイツはスラッピ。」

「ピーッ!」

「かたじけない、冒険王殿。
二番隊を代表して心から感謝します、
そしてようこそ!義勇軍へ!!」

うん、とにかく間に合って良かった。
みんな無事みたい。
そして二番隊にも認められたみたいね、
それも合わせて良かったわ照れ

「それでクサロ。
そのマレドーとやらは何処に?」

「ハッ!
魔物たちに処刑される前に
我々で保護しておりました。
今、連れてまいります。
さぁ、マレドー殿こちらへ。」

いよいよ義勇軍へと寝返るという
上級執行官とご対面。
ドキドキ・・・・。

二番隊隊長クサロの後方から
マレドーと思しき魔物が現れた。

え!?
なんか邪悪!!??

えと、ごめんなさい、思わず
第一印象を言ってしまった。
ううん、ギリギリ口にはしなかったけど滝汗
心の中で、そう思っちゃった。
表情に出てなければいいんだけど・・・。

ドラゴンの・・・剥き出しの頭蓋骨のような
頭部に血走った巨大な双眼。
魔法使いのようなローブを纏い、
少し猫背気味なその体躯。
魔族の腕の骨を象った杖を抱きかかえていた
その風貌に、アタシはあまりにも単純だけど、
1印象で邪なる者だとマレドーの事を
見てしまった。

「はじめまして、私は義勇軍の
総司令官オリオリです。
アナタが宇宙政府を裏切ったという
上級執行官のマレドー殿ですね?」

「いかにも、ワシがマレドーだ。
アナタが宇宙王の書に閉じ込められたという
宇宙王の末裔オリオリ様か。」

「モガ?閉じ込められた?
そういや事態がいちいち急展開なので
聞くのを忘れちまってたけど、
惑星クラウドに来れば本物のオリオリに
会えると思ってたけど本の中にいるまま
だな?今、マレドーが言ったとおり
閉じ込められているのか?」

「はい・・・・実は・・・・
あ、いえ、その話はまたおいおい
話すとしましょう、今はマレドー殿に
話を聞くのが先決です。」

そう、今モガマルが言ったとおり。
おじぃちゃんと冒険王の書の関係に倣うと
すれば、ブルリア星に現れたオリオリは
星見る神殿の力と同じような力で宇宙王の
書から出現している、という事になるわ。
でも今、マレドーとオリオリは
"閉じ込められている"
と言ったわ。
どうやらおじぃちゃんとはまた違う事情が
オリオリにはあるみたいね。

と、これもまたオリオリの言うとおり、
まずはマレドーの話を聞こう。

「みなさんはドスラーデスをご存知か?」

「モガー!!ドスラーデスだってーーー!!??
知ってるも何も・・・」

「もちろん知っています、魔星王
ドスラーデスの事ですね。
ここにいるリザさん達は、そのドスラーデス
を倒したのです。」

「な、なんと!!
ではブルリア星の冒険王というのは
この娘達のことか!」

「はい。
ゆえに我が義勇軍へと加勢願いました。」

「むぅ、では話が早い。
ワシが貴殿らに伝えたい内部機密とは・・・
宇宙政府はドスラーデスに代わる
新たな魔星王を誕生させる準備に
入ったという事だ。」

なんですってーーーー!?
新しい魔星王!!!

ようやく、本当のほんっとうに
ドスラーデスを完全に倒したと思ったら
また違う魔星王ですって!?
全く、宇宙政府のやる事ときたらムキー

「新たに生み出される魔星王の強さは
ドスラーデスの比ではない。
星を丸ごと滅ぼしてしまうような
とてつもない邪悪な強さだ。
政府は新しい魔星王を使って宇宙の
人々を脅すつもりだ、自分たちに従え、と。
さもなくば魔星王を差し向け星を滅ぼして
しまうぞ!とな。
ワシは・・・宇宙を平和に治めるべく
組織に参加した。
しかし、組織が行うのは恐怖政治ばかり。
自分たちの富と権力を維持する事
しか考えておらん。
ワシは、自分で自分が嫌になってしまった。
もうこれ以上、組織の者でいたくないのだ!!」

・・・なるほど。
宇宙政府の中には、本当に宇宙の平和を
願っている者もいるってことなのね。
うん、とりあえずはこちらに寝返る事の
大義名分としては成り立つ・・・か。
けどやっぱりアタシは心中では・・・
この元上級執行官だという男を
無条件に信用はできない。

しかし、それを表情には出さずマレドーと
オリオリの会話を引き続き聞いていた。
結論を急ぐには、まだまだ情報が
足りないわね。

それにしても宇宙政府はっ!
全くもって考えることがいちいち低俗ねムキー
なんでそうやって、なんでもかんでも
壊そうって考えちゃうのかしら。
自分たちが得ようとしている富や権力だって
みんな壊しちゃったら無くなっちゃう
じゃないの!

いや、富を差し出すから星を壊さないで
ほしいっていう考えが正しいとは言わない
けれど、それにしても事あるごとに星を
ぶっ潰すぞ!ってすぐに言っちゃうその
浅はかさが気に入らないわっムキー

アタシは・・・マレドーが信用に値するかを
見定めるために、冷静でいようとはするん
だけど宇宙政府の事を考えるとどうしても
怒りがこみ上げてきちゃう!
怒りの方は顔に出ちゃってるかも
しれないわね・・・。

オリオリは、ひょっとしたらアタシの
燃えたぎる怒りに気づいてるかもしれない。
けど、アタシには声をかけず引き続き
マレドーとの会話を続ける。

「宇宙政府が新たな魔星王を・・・!
確かに脅威だわ。
しかし1つ疑問があります。
魔星王を生み出すには"秘術"が
必要だと言われています。
いかな宇宙政府とて"秘術"もなく
無から魔星王のような強大な存在を
創り上げるなど神でもあるまいに・・・。」

「"秘術"の話はワシも聞いたことがある。
そしてそれを扱えるのは・・・。」

「そう、星屑魔法団という集団です。
ですが彼らは現在、宇宙政府とは距離を
置いている。
何を隠そう、我が義勇軍へ協力をしてくれて
いるのです、いわば星屑魔法団は義勇軍の
一員のようなもの。
彼らが宇宙政府に協力し魔星王誕生の片棒を
担ぐなど考えられませんっ!」

「うむ、その点についてはワシも疑問に思う。
で、星屑魔法団は今何処に?」

「ヨンツゥオ大陸です。
我が義勇軍3番隊が保護し、身を隠して
生活しています。」

「星屑魔法団は義勇軍の味方か・・・。
すると心変わりでもしたのか?
理由はわからんが直接会って確かめるしか
ないだろうな。」

魔星王を生み出すのに必要だとされる
"秘術"に、それを扱える星屑魔法団・・・。
話がかなり具体的になってきたわね。

オリオリの言うとおり、魔法団が義勇軍側
にいるならば、魔星王誕生は杞憂に終わる。
けれど元執行官マレドーは『宇宙政府が
魔星王誕生の準備に入った』と伝えている。

その証言が事実なら、魔法団になんらかの
動きがあった可能性はかなり高いわね。

「よしっ!
ヨンツゥオ大陸へ行こう!!なっ?オリオリ。
ここで議論してても仕方ない、実際に
確かめなくてはな!」

ボロンが次の行き先と方針を掲げる。

「そうね、参りましょう、ヨンツゥオ大陸へ。
リザさん達、付いてきてくれますか?」

もちろん!
事実はともかく、冗談でも新しい魔星王を
誕生させるだなんて話、絶対に阻止
しなくてはっ!
その鍵を握っている星屑魔法団に一刻も早く
会って真意を確かめなくてはっ!!

「よかった、ありがとう冒険王!!
では我々はレジィトの街へ戻り、そこから
飛行船で雲海を渡りヨンツゥオ大陸へ
向かいます。
ドゥエインの1番隊は2番隊から任務を
引き継ぎマレドー殿の警護と、この基地の
専守を命じます。
クサロの2番隊は宇宙政府の動向を探る
ように、頼みましたよ。」

「はっ!
承知いたしました!!」

「2番隊、承知しました!
オリオリ様、本の中にいらっしゃるとはいえ、
どうか道中お気をつけて。」

「オレはオリオリについてくぜ、親衛隊長
として総司令官を守らなくてはなっ!!」

軍の役割も決まったみたいね、
よし、行こう、ヨンツゥオ大陸へ。

ただ、アタシはまた思考を巡らせる。
新しい魔星王、秘術、星屑魔法団、
そして寝返った元執行官マレドー・・・。
オリオリには悪いけど無条件でマレドーの
事を信用できない。
ううん、アタシの考え過ぎならそれでいいの。

ただ、今回の情報のやり取りで出てきた
キーワード。
これが密接に絡み合ってる気がしてならない。

魔星王誕生のために秘術を欲しがっている
であろう宇宙政府。
秘術を扱う星屑魔法団の所在を知りたくて
仕方ないはず。
そんな折に義勇軍へ寝返るといって現れた
上級執行官マレドー。
・・・魔星王誕生という情報を餌に魔法団
の情報を義勇軍から釣り上げる、っていう
のは考え過ぎかしら滝汗

現にオリオリは魔法団の現状と所在を
あっさりマレドーに話してしまっている。
なんだか引っかかるわ・・・。

アタシは、新しい大陸での冒険に
ドキドキワクワクしながらも若干の不安を
覚えながらモガ丸の手を握りルーラで
レジィトの街へと戻った。

Story日誌 第1話<新たなる雲海の星> 了

本日の冒険日誌でした爆  笑爆  笑爆  笑

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