江藤は高3でボクシングを始め、4カ月で沖縄県大会を制した。上京して08年にプロデビュー。13年にタイ・バンコクでWBA世界同級暫定王者コンパヤック・ポープラムック(タイ)に挑戦。アウェーの洗礼や暑さのハンディも、最終回にダウンを奪って判定勝ち。タイでの世界戦19戦目にして、日本人として初めて勝利した。暫定王座のために、国内では世界王者としては認められなかった。

4カ月後の初防衛戦は12回TKO負けで王座を陥落し、眼窩(がんか)底も骨折した。14年には東洋太平洋同級王座を奪取して2度防衛。15年には仙台で、WBC世界スーパーフライ級王者カルロス・クアドラス(メキシコ)に念願の挑戦。足を使われて最後まで捕まえきれず、沖縄出身7人目の世界王座奪取はならなかった。

再挑戦へ昨年5月にはWBO世界同級王座挑戦者決定戦に出場した。1回に右フックでTKO勝ちも、試合後にバッティングのためと無効試合とされた。8月に再戦も2回にダウンなど判定負け。これが最後の試合となった。

切れのいいパンチに定評あったが、防御に甘さもあった。東洋太平洋王座決定戦では2度ダウンも3度奪い返す、倒し倒されの試合も演じた。ウチナンチューのハートの強さがあった。172センチの右ボクサーファイター。通算24勝(19KO)5敗1分1無効。弟2人も同じジムでプロボクサーだった。

ジムではトレーナーも兼ね、営業自粛中には会員向けのオンラインでのトレーニングを担当していた。この経験を生かして、オンラインのボックスフィットKを立ち上げた。体幹、サーキット、ボクシングなどトレーニングをレッスンしている。「自分のジムを作りたい夢がある。ちばります(頑張ります)」と話している