今から200年前、僕は何をしていただろう。
思い出そうにも思い出せない。
うーん、あっ!

ううーん。


あっ!
あ?
こっち見んな。

200年前。
はい、江戸ですね。
そう、江戸時代、僕が生まれる前のこと。
僕がまだ母のお腹の中にいた頃です。

その頃に生を受け、今も尚生きている動物がいます。
ホッキョククジラです。
寿命200年以上なんですって。

つまりさ、今現存するホッキョククジラってさ、
ベートーベンの最期を見届けて、
来航した黒船の下に潜ってて、
解放され安堵の表情を浮かべる元奴隷と宴を開く経験をしてたんだなって思うじゃん?
思うじゃん?
でもさ、あいつホッキョククジラじゃん。
北極にしかいないの。
ね?
一生涯北極、スマホで日記書くことも出来ないの。
なんも知らんのな。
200年、退屈じゃないのかな。

で、なんだけどさ、僕朝パン食べるじゃないですか。
そういう時にね、あーホッキョククジラは200年生きてるんだなって。
なんの脈絡も無いんだけど、
ホッキョククジラ換算で物事に感心するんですよね。

落として割れた手鏡見てさ、
あーホッキョククジラは200年生きてるんだなって。

窓開けて小鳥のさえずり聴いてる時に、
あーホッキョククジラは200年生きてるんだなって。

買った帽子あまりかぶることないなーって、あれいくらしたかなーって思い出してる時に、
あーホッキョククジラは200年生きてるんだなって。


友達ができなくて悩んでる人にこう言葉かける人いるじゃないですか。
「浅く広い付き合いよりも狭く深い関係のほうがいいと思うよ」って。
でも思うじゃないですか、
いや狭くて浅いねん、って。
アレに似てますよね。

ホッキョククジラが200年生きて、寿命は
長いけど中身の無い人生だとか言って
それと比較して、人間の人生は短いけどその分濃いんです、みたいな。
短くて薄い奴いっぱいいるのに、
どこかプラマイゼロに持ち込もうとする奴。

って言ってる時に、
あーホッキョククジラは200年生きてるんだなって。


ホッキョククジラって200年も生きてんのかよ、すげぇな。
僕が白人だったら、スマートウォッチをサスペンダーにして
ドローンの上にランチプレートを乗せるんだ。


っていうね、
これまあ
白々しい嘘。
真っ赤な嘘。
頭は真っ白かい。
青ざめたかい。
顔面は蒼白だろうか。
お茶でも飲みなよ。
黄色い声がする。
聞いちゃいない。


シークレットゲスト、高八序子です。

物干し竿は物足りなさを欲している。
爆弾発言を言うまでのタイムリミット。
次元の違うことを言うぞ。

ピンヒール彫って判子にしたい。