『イ・サン』と『剣士ペク・ドンス』 | Thinking every day, every night

Thinking every day, every night

夢想家"上智まさはる"が人生のさまざまについてうわごとのように語る


テーマ:
★ネタバレ注意★

李氏朝鮮第22代国王イ・サンの時代を舞台にしたドラマとして、『イ・サン』、『剣士ペク・ドンス』、『トキメキ☆成均館スキャンダル』などがあります。
これらはほぼ同じ時代を描いているので、当然のことながら、登場人物がかなり重なっています。
同じ人物をそれぞれのドラマの中でどのように描き分けているかを見てみるのは興味深い試みといえるでしょう。

ここでは国王イ・サンと、王を文武の面で支えた文官ホン・グギョンと武官ペク・ドンス、そして、ホン・グギョン亡き後を継いで策士としてイ・サンを支えたチョン・ヤギョンについて取り上げます。
なお、『イ・サン』で生涯の友人としてまた武官として王を支えたパク・テスはドラマだけの架空の人物です。多分にペク・ドンスのエッセンスを取り入れていますが。

まずは歴史的事実として各人の系譜を年代順に並べてみましょう。

1743年    ペク・ドンス誕生
1748年    ホン・グギョン誕生
1752年(00) イ・サン誕生
1762年(10) チョン・ヤギョン誕生
1773年(21) ホン・グギョン文官に任官(25)
1776年(24) イ・サン即位
        ペク・ドンス武官に任官(33)
1781年(29) ホン・グギョン没(33)
1789年(37) チョン・ヤギョン文官に任官(27)
1800年(48) イ・サン没
1816年    ペク・ドンス没(73)
1836年    チョン・ヤギョン没(74)

このようにペク・ドンスはイ・サンの9つ年長、ホン・グギョンがイ・サンの4つ年長、チョン・ヤギョンがイ・サンの10歳年少という関係になります。

■それぞれのホン・グギョン

イ・サン』と『剣士ペク・ドンス』を見比べて、一番印象が違って驚くのは、ホン・グギョンでしょうか。
イ・サン』では、イ・サンが世孫(セソン)の時代から、頼り甲斐のあるブレインとして、また時にはパク・テスの兄貴分として、重要な役回りを担いますが、『剣士ペク・ドンス』では、王の護衛部隊「壮勇衛(チャンヨンウィ)」の予備訓練隊?にペク・ドンスらとともに入隊するも、体力も勇気もなく弱虫で落ちこぼれの眼鏡っ子、ヤン・チョリプとして登場します。

ヤン・チョリプは結局、学問の道を志すことになって、科挙に合格し、宮中に上ってイ・サンに見出されることになります。

両班(当時の貴族階級)出身のため、周りからよそ者扱いされないようにと本名を伏せて偽名で生活していたため、ドラマの視聴者も彼がまさかホン・グギョンとは夢にも思わず、ある日突然、科挙に合格したシーンで「ホン・グギョン」という名札を見せられて「えっ!」と思うわけです。
制作スタッフのニンマリしている姿が目に浮かびますね。

◎『剣士ペク・ドンス』のヤン・チョリブ(本名ホン・グギョン)
 (向かって右がのちのホン・グギョン、左がペク・ドンス)
Thinking every day, every night-ペク・ドンスとホン・グギョン

◎『剣士ペク・ドンス』のホン・グギョン
Thinking every day, every night-ホン・グギョン(ペク・ドンス)

◎『イ・サン』のホン・グギョン
Thinking every day, every night-ホン・グギョン(イ・サン)


■それぞれのペク・ドンス

先に述べたように、『イ・サン』では、国王を支える武官は架空の人物パク・テスという設定ですが、ペク・ドンスはペク・ドンスでちゃんと登場します。ただ余りにも小さな扱いなので気がつかない視聴者がほとんどだと思われます。

最初の登場は、第33話の後半から第34話にかけて。
国王英祖が病に倒れ、ソンヨンが使節団の一員として清国に立っている頃のエピソードとして登場します。
酒場で泥酔しているパク・テスに、二人組の男が「税金泥棒」と吐き捨て、喧嘩に。
ところが、あろうことか、腕力では誰にも負けないと自負するパク・テスが簡単に打ち負かされてしまいます。
そして相棒のソ・ジャンボとカン・ソッキが敵討ちに向かいますが、返り討ちに合う始末。
興味を持ったイ・サンは土下座を賭けた勝負を二人組に申し出、そして見事に負けてしまいます。
結局イ・サンの正体がバレて土下座は免れますが、その二人組のひとりがペク・ドンスです。彼らは実力がありながら出自のせいで閑職に追いやられ、辺境でくすぶっているのでした。(ちなみにもうひとりは、のちにやはりイ・サンのブレインのひとりとして功績を残すパク・チェガ)

ここでペク・ドンスは武官として要職に登用されるとともに、パク・テスに武術を指南することになります。

そして最終話、第77話でふたたびペク・ドンスが登場。
パク・テスが新しい武芸書『武芸図譜通志』をイ・サンに納め、ペク・ドンスが模範演技を披露します。(史実では、『武芸図譜通志』を編纂したのはパク・チェガやペク・ドンスら)
ここでも、ソ・ジャンボとカン・ソッキには日本語字幕が付きますが、ペク・ドンスには付かず。しかし映像そのものは重要人物と言わんばかりにペク・ドンスに一定の時間を当てられていました。おそらく韓国の視聴者が背景知識を持っていることを前提に、ペク・ドンスへの敬意を表したショットなのだと思われます。

◎『イ・サン』のペク・ドンス
Thinking every day, every night-ペク・ドンス(イ・サン)

◎『イ・サン』でパク・テスがイ・サンに提出する「武芸図譜通志」
Thinking every day, every night-武芸帳

それにしても、『剣士ペク・ドンス』のドンスのイケメンぶりとのギャップがありすぎて思わず笑ってしまいました。いや、こちらのドンスも男前ですよ・・・
ちなみにこの『イ・サン』のペク・ドンスを演じている役者さんは実は役者さんではなく、このドラマの武術監督キム・ソンシルさんなのだそうです。

それでは、『トキメキ☆成均館スキャンダル』でペク・ドンスはどのように描かれているでしょう?
このドラマは時代が少し下がるので、本人は登場しません。
ただ、老論(ノロン)派の跡取り息子イ・ソンジュンが、「元の地主のペク・ドンスは、わが家の執事でした」と語るシーンに名前だけ出てきます。


■それぞれのチョン・ヤギョン

イ・サン』と『トキメキ☆成均館スキャンダル』とでは若干時代がずれているので、登場人物が異なっていたり、同じ人物でも年齢が異なります。

イ・サン』では、ホン・グギョン亡き後、イ・サンのブレインとなるべき策士としてその空白を埋めるべく白羽の矢が立ったのが、若きチョン・ヤギョンでした。
チョン・ヤギョンは科挙(小科)に首席で合格後、当時の最奥学府である成均館に入学し、何度も科挙(大科)を受けるも、その斬新すぎる答案のゆえに落選の憂き目を見ていたところを、たまたまイ・サンの目に止まり、イ・サンが直接試験官になって採点することにより合格させたというエピソードが、『イ・サン』の第67話、68話にあります。
その後は、イ・サンのブレインとしてさまざまなアイデアを出して活躍していきます。

このチョン・ヤギョンが『トキメキ☆成均館スキャンダル』では、成均館の博士(教師)として登場します。『イ・サン』のときの若きチョン・ヤギョンよりもっと後のチョン・ヤギョンですね。
彼は良識のある博士であると同時に、当時まだ異端だった天主教(キリスト教)の敬虔な信者でもありました。
主人公のキム・ユニが女性の身を隠して男性として成均館で学ぶのを知りつつも、キリスト教の男女平等の思想のもと、見て見ぬふりをします。そしてそれをイ・サンに見咎められますが、真摯な態度を貫き通し、イ・サンもそんなチョン・ヤギョンに一目置くわけです。

◎『イ・サン』のチョン・ヤギョン
Thinking every day, every night-チョン・ヤギョン(イ・サン)

◎『トキメキ☆成均館スキャンダル』のチョン・ヤギョン
Thinking every day, every night-チョン・ヤギョン(成均館)


このように、同時代の物語を縦糸・横糸を辿りながら見比べてみると、いろいろな発見があって楽しくなりますし勉強にもなりますね。

以上です。

上智まさはるさんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス

    ブログをはじめる

    たくさんの芸能人・有名人が
    書いているAmebaブログを
    無料で簡単にはじめることができます。

    公式トップブロガーへ応募

    多くの方にご紹介したいブログを
    執筆する方を「公式トップブロガー」
    として認定しております。

    芸能人・有名人ブログを開設

    Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
    ご希望される著名人の方/事務所様を
    随時募集しております。