【国鉄バスカタログ】748形 | 国鉄バスカタログ

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国鉄バス車両の画像記録を掲載しています。掲載画像の無断使用はご遠慮ください。

国鉄バス専用形式7型のうち、日産ディーゼル製748形を公開します。
これまで国鉄バスの画像をブログの場でご覧いただいてきましたが、
当方の手元にある記録は今回の分で全てです。

 

7型で圧倒的な勢力を持っていた三菱車に対し日産ディーゼル車は少数派、
配置も名古屋自営のみ、運行路線も原則として東名高速線に限定されるなど、
あまり目立たない存在だったように思います。導入年度も限られ、記録も
さほど多くはないのですが、年式順に並べてみます。

 

 

 

748-9901・9909
1979年度導入車。この年は9901~9910の10両を新製し、全車名古屋に配置した。
日産ディーゼル製の7型は一時期導入されていたのだが、生産が休止となり
しばらくの間納車も中断していた。この年度から久しぶりに調達再開となる。
形式はRA60S。機関はV型10気筒のRD10で、高出力350psを発揮する。
従来導入されていたV8RA120は2サイクルのV8エンジンで、掃気のため
スーパーチャージャーを装備した異色のの7型だった(国鉄専用形式7型については
過給機の付加は認められていなかったが、エンジン構造上必要な装置なので
日産ディーゼル車のみは許容されていた)。2サイクルエンジン製造終了により
しばらく導入をやめていたが、V10の4サイクルエンジンで復帰したものである。
三菱車と同じ富士重車体を架装しており外観もほぼ統一されているが、シャーシや
機関の構造が異なるためエンジンルーバーの形状などに違いがみられる。
出力は三菱MS504系と同性能に揃えられているが、最高速度は135km/hとやや低い。
乗務員からは「排気ブレーキの利きがよい」点は好まれたが、横風などの際の
操舵性にはやや劣る部分もあり、全体的には三菱車と比べ低評価だったようだ。

 

 

 

・748-9901
久々に調達が再開された748形。新形式RA60Sのトップナンバーである。
ご覧の通り三菱車とほぼ同じボディを架装するが、この面から見て
エンジン部に開口部が存在するのが大きな相違点である。
エンジンルームの形状や容積など床構造に違いがあることから、座席配置も
三菱車と若干寸法差があり、厳密には窓の配置も微妙に相違しているのだが、
肉眼で見るだけでは区別できない程度である。
この車のシリアルはRA60S-00003。以降の車は00004から順に数字が振られる。
番号が2つほど抜けている計算になるが、新形式ということでプロトタイプ2両が
生産されたようで、国鉄納入前のテスト用に使われたものと思われる。

 

 

748-9901 日産ディーゼルRA60S (富士重) 名古屋自動車営業所
イメージ 1

 

 

・748-9909
同一ロットなので仕様も同じ、9901と共通の外観である。

 

 

748-9909 日産ディーゼルRA60S (富士重) 名古屋自動車営業所
イメージ 2

 

 

9909の民営化後の記録。JR東海が継承した7型は早い時期に塗装変更が進んだ。
国鉄末期に中国高速線用車両に施されたものと類似するが、屋根上の塗り分けなど
若干の違いはあり、印象も多少異なる。

 

 

イメージ 3

 

 

 

748-0901・0902・0905・0907
1980年度の増備車だが、生産2年目で早くも小変更を迎える。
新排ガス規制対応となり、正式形式名がK-RA60Sとされた。
構造や仕様は前年車と大差ないが、保安基準改正の絡みで
この年度から車体側面のフラッシャーが追加されている。
0901~0909までの9両が増備された。

 

 

 

・748-0901・0902
全車名古屋に配置されていたが、0901と0902については
民営化直前に名古屋所属のまま本拠地を静岡へと移しており、
民営化後は新たに開設された静岡支店へと継承されたようだ。
排ガス規制対策車のK-RA60Sと改められた関係で、シリアルナンバーについては
新規にRA60S-00101からの番号が割り振られている。
 
748-0901 日産ディーゼルRA60S (富士重) 名古屋自動車営業所
イメージ 4

 

 

748-0902 日産ディーゼルRA60S (富士重) 名古屋自動車営業所
イメージ 5

 

 

JR東海に継承後の0902。新塗装に改められたが、引き続き静岡をベースに活躍。

 

 

※民営化後の撮影

 

 

イメージ 6

 

 

・748-0905
民営化後数年で引退が始まった。名古屋営業所の片隅で静かに廃車の時を待つ0905。
左に写っているのは0903。高速専用車という特殊な構造を持つ車であること、
そしてすでに貸切車としては陳腐化した車両。転用の道は断たれ、
第二の活躍の場を与えられることなく退役していった。これも7型の宿命。

 

 

※民営化後の撮影

 

 

748-0905 日産ディーゼルRA60S (富士重) 名古屋自動車営業所
イメージ 7

 

 

・748-0907
撮影場所は八重洲北口。現在は立派なバスターミナルになっているが、
当時はここに国鉄ハイウェイバスの待機所があり、主に名古屋の車が待機していた。

 

 

748-0907 日産ディーゼルRA60S (富士重) 名古屋自動車営業所
イメージ 8

 

 

 

748-1902・1903・1908
1981年度は1901~1908の8両を調達。形式は引き続きRA60S。
三菱車と同様に、1982年度までこのスタイルで増備が続いたが、
日産ディーゼル車についてはモデルチェンジを受けることなく生産を終えている。
国鉄専用形式の開発継続は、負担が大きい割に売上のメリットが小さい。
日産ディーゼルは後継車の開発に参加しない選択をしたのである。
結局748形の調達は1982年度が最終となる。RA60Sは31両の納入にとどまった
(国鉄納入分と別にプロトタイプ2両があるので、総生産数は33両となる)。
今見ると、改めてハイウェイバス専用車は優美なスタイルだったと思わされる。
シンプルながら優雅なシルエットも、今や記憶の奥底に残るだけとなった。

 

 

 

748-1902 日産ディーゼル RA60S (富士重) 名古屋自動車営業所
イメージ 9

 

 

748-1903 日産ディーゼル RA60S (富士重) 名古屋自動車営業所
イメージ 10

 

 

748-1908 日産ディーゼル RA60S (富士重) 名古屋自動車営業所
イメージ 11

 

 

 

余談だが、国鉄ハイウェイバスの車両には、2系統のホーンが装備されていた。
一つは「通常」用で、一般の路線バスや観光バスに装備されているタイプ。
もう一つが独特の「追越」用で、こちらはBOSCH社製の鋭い音を発するもの。
MS504・RA60Sの前面ナンバープレートすぐ上に二つ付いているのが追越用ホーン。
商品名「スーパーホーンクラシック」と呼ばれるものとほぼ同等のようである。
一般道走行含め追越用が常用されていたので、国鉄ハイウェイバスの音として
なじみが深い。

 

 

 

 →BOSCH「スーパーホーンクラシック」 試聴
 
多客期の休日、続行便を従えて運行中の静岡行(車両は744形)。
東名高速開通と同時にデビューした国鉄ハイウェイバスは、
7型という類い稀な高性能バスとともに、歴史を歩んできた。
そして7型の実績は、以降の高速バス車両に貴重なデータを残した。
現代の高速バスの繁栄も、7型の貢献が大きく関与していることに間違いはない。
バスの歴史においても、国鉄専用型式と言う車両は大変重要な存在なのである。

 

 

イメージ 12

 

 

 

これまでお読みいただき、ありがとうございました。
1型から始まった国鉄バスカタログ、7型の公開完了を持ってまずは目的達成です。
これまで未公開で保管していたデータですが、お楽しみいただけましたら幸いです。

 

 

 

ただし、このブログについてはもうしばらく転載を続けます。
物品やグッズ・資料等についてもお目にかけたいと考えているのです。
車両紹介という目的からは逸れますが、少しずつ国鉄バスの記録を載せていきます。

 

 

 

なお、あと1回だけ国鉄自動車の車両について取り上げる予定です。
次回、僅か1両のみですがご覧いただこうと考えています。