【国鉄バスカタログ】744形(その2) | 国鉄バスカタログ

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三菱製高速専用車「744形」の続きです。
1981年度以降の導入分をまとめます。

 

 

744-1904
1981年度は1901~1912を新製、東京・名古屋・京都に分散配置している。
形式は前年度と同じMS504Rだが、この年以降の東名・名神高速線向け車両は
全てドリーム号仕様車での調達となった。このグループも補助席なし・固定窓である。
ドリーム仕様は1974年度以来久々の増備だが、7年前の仕様とほぼ同等ながら
各部を現行仕様にリファイン、開閉式だった最前部の側面窓も固定化されている。
画像は民営化後、JR東海に継承されたあとの様子。自動車電話設置により
従来の無線は不要となったため、屋上のアンテナは撤去済みである。

 

 

 

※この画像は民営化後の撮影

 

 

744-1904 三菱MS504R (富士重) 名古屋自動車営業所
イメージ 1

 

 

 

744-2902・2905・2906・2907・2908
1982年度(昭和57年度)導入車。形式はMS504R、仕様・外観は前年度分とほぼ同一。
ただしトイレ部分の窓については曇りガラス状の半透明から白の不透明となった。
東名・名神用はドリーム号仕様車のみで2901~2908の8両を増備。
ほかに中国道用が2両(2909・2910)配置されている。
東名高速線用に国鉄専用型式が誕生してから13年、ずっと続いてきた
このスタイルだが、既に時代の流れには適わず、このロットで生産終了となった。

 

 

 

・744-2905
日中の東京自営で記録した2905。左側コーナー部分の略号(7型特有の表記で
メーカーと年式・固有番号の4つの数字で示す)のフォントが大きかったのが特徴。

 

 

744-2905 三菱MS504R (富士重) 東京自動車営業所
イメージ 2

 

 

ドリーム号名古屋行として運行中、足柄SAで休息中の同車。

 

 

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こちらは三ケ日での途中休憩中。
ドリーム号については三ケ日ICで一度高速を降り、現地のドライブイン
(みかちゃんセンター)で休憩時間を取っていた。現在のドリーム号は三ケ日で
乗務員交代を行っているが、当時乗務員交代については静岡で行われており、
三ケ日には純粋に乗客の休憩の目的で立ち寄っていたのである。
真夜中にもかかわらずドリーム号のためにうどんなどの軽食コーナーが営業され、
続々とやってくるハイウェイバスの乗客たちで毎晩賑わっていた。

 

 

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・744-2906
固定窓が独特なドリーム号仕様。補助席なしで定員も42名(乗務員含む)
と少ないが、座席自体も昼行便仕様と異なり茶色系の落ち着いたモケット、
座り心地もふんわりと沈み込むような感触の豪華なものだった。

 

 

744-2906 三菱MS504R (富士重) 京都自動車営業所大阪支所
イメージ 5

 

 

・744-2907
952の運行番号があるので、名古屋発ドリーム号で帰庫した後だろうか。

 

 

744-2907 三菱MS504R (富士重) 東京自動車営業所
イメージ 6

 

 

・744-2908
こちらは326の番号を表示。静岡発東京行きの昼行便なので、
撮影日は運行がなくお休みだったようだ。
当時は通常の路線バスのような運行形態で多数の便が走っていた東名高速線、
現代は予約指定制の都市間輸送型に変化してしまい、大きく性格が変わっている。
学生や主婦が日常の足として利用していた時代が懐かしい。
由比も駒門も、今では忘れられたバスストップ名となった。

 

 

744-2908 三菱MS504R (富士重) 東京自動車営業所
イメージ 7

 

 

2908は民営化直前に京都へ転属となり、西日本JRバスに継承されている。
民営化1~2年後の撮影だが、塗装はそのままながら国鉄のマークはすべて消え、
窓を支持するHゴムが黒に交換されるなど、イメージが変化している。

 

 

※民営化後の撮影

 

 

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・744-2902
7型については中国高速専用車両を除き国鉄時代の塗装変更はされていなかったが、
民営化後は継承した各社の方針でリニューアルが実施されることとなった。
これはJRバス関東が継承した車両の例。東京自営の2902である。
国鉄新塗装のデザインをそのまま流用する手法はどの会社にも見られたが、
この車は窓周りを黒塗装するなどかなり手が込んでいて、印象が大きく変化。
もっともこのボディには新塗装が似合っているとは言えず、やや暗く
重苦しいイメージになってしまった気もする。

 

 

※民営化後の撮影

 

 

744-2902 三菱MS504R (富士重) 東京自動車営業所
イメージ 9

 

 

 

744-4952・4954・4955・5955・6901・6902・6903・6904
MS504Rの生産終了後、1年の空白を挟んで、1984年(昭和59年)から車両増備再開。
伝統のデザインに別れを告げ、ニューモデルにて導入されることとなった。
陳腐化していた車体も真新しいハイデッカーに生まれ変わり、イメージは一新。
型式はMS735S(P-MS735SA)。市販モデルをベースに改良を加えているレベルで
一から開発された車とは異なるが、民間には存在しない国鉄専用型式である。
エンジンは8DC9T。同時期に生産された市販モデルと同じタイプだが、
ターボを付加して従来同等の350PSの出力を維持している
(ただし81・82年度のMS504Rと比較して0.5tほど重く、重量当たり出力は低下)。
軸距6.5m・全長11.98mはMS504系とほぼ同寸だが、背丈があるので短く見える。
7型開発当初は過給器は不可と言う条件だったが、すでに技術的な難点を
克服しており実用上問題ないこと、また開発コストの兼ね合いから
国鉄もターボチャージャーの採用を容認したものである。
年度別に細かい差異はあるが、基本仕様や構造は同一なのでまとめて並べておく。

 

 

 

イメージ 24

 

 

・744-4955
ご覧の通り、従来の国鉄ハイウェイバスとは明らかに異なるコンセプトである。
大きな側面窓は車体上部まで回りこむ曲面ガラスで、眺望や採光は良好。
ハイデッカーでアイポイントも高く、内装も豪華ではないが明るいものに変化した。
塗装は東京湾岸線(ディズニーランド行)で成功した新デザインをそのまま採用。
これは30年以上を経過した今でもJR高速バスでおなじみとなっているもので、
結果的には大変優秀な塗装案だったと言えるのではないだろうか。

 

 

744-4955 三菱MS735S (富士重) 東京自動車営業所
イメージ 10

 

 

日中の東京自営で点検中の4955。ローラー式の速度測定装置など
ほかの営業所では見られないような計測機器もあり、高速路線車ならではの
高度な点検整備が行われていて、眺めていても飽きることがなかった。

 

 

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・744-4952
同じく1984年度導入分。この年度は4951~4956の6両を購入して
全車を東京自営に配置している。試作車は作られていないので、
初年度はシリアルの末尾が1から始まる(MS735S-70001~70006)。

 

 

744-4952 三菱MS735S (富士重) 東京自動車営業所
イメージ 12

 

 

同車の民営化後(JRバス関東に分社化後)。社名ロゴ以外大きな変化はない。

 

 

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・744-4954
4953と4954は民営化後JR東海が継承。名古屋に配置されて
引き続き東名・名神高速線で活躍していた。

 

 

※民営化後の撮影

 

 

744-4954 三菱MS735S (富士重)
イメージ 14

 

 

・744-5955
1985年度(昭和60年度)増備分。外観上は初年度生産分とほぼ同じである。
ドリーム号用として作られた車両だが、間合い運用で昼行便にも使われていた。
大きな窓からの優れた眺望は、もっぱら昼行便で大きな効果を感じられたはず。
なお、称号下2桁の「固有番号」が50代の数字になっているのは、この時点で
1974年式・1975年式が健在であり(先に紹介した「744-4906」のMS504Qと
「744-5904」のB907N)、これらの称号との重複を避ける意味合いのものである。

 

 

744-5955 三菱MS735S (富士重) 東京自動車営業所
イメージ 15

 

 

この車は民営化後JR西日本が引き継いでいる。分社化後西日本JRバス所属となり、
外観が大きく変化した5955の姿。

 

 

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・744-6901
国鉄バスの新製車両配置最終年度となった1986年(昭和61年)に投入されたグループ。
84・85年式と同型だが、前面行先表示機の位置が変更されてよりスマートになった。
称号下二桁については、1976年式の7型は存在しないことから重複の問題は生じず、
86年度調達車については通常通り01からの番号が振られている。
特殊な要求を満たすように開発されてきた国鉄専用型式にとっても、
1986年が最後の生産分である。民営化以降は市販型式の導入にとどまり、
JRバスからは専用型式による新造車両は消えた。
国鉄バスの歴史を飾る、最後の専用設計・特別発注車である。
6901は新製当初は東京所属だったが、スーパーハイデッカー車導入の頃
京都自営大阪支所に移動している。余生は金沢で過ごしたようだ。

 

 

744-6901 三菱MS735S (富士重) 京都自動車営業所大阪支所
イメージ 17

 

 

・744-6902
ドリーム号として早朝の東京駅八重洲南口に到着したところ。
新製配置は京都、その後は民営化直前まで東京自営で活躍した。
民営化後はJR東海バスが継承している。

 

 

744-6902 三菱MS735S (富士重) 東京自動車営業所
イメージ 18

 

 

・744-6903
ドリーム号の途中休憩中。周囲はモノコック車ばかり、名古屋行きだろうか。
この車も新製配置は京都、その後民営化直前まで東京に所属していた。

 

 

744-6903 三菱MS735S (富士重) 東京自動車営業所
イメージ 19

 

 

6903もJR東海が引き継いでいる。民営化後に開設された
静岡支店で登録されたようで、静岡ナンバーが付いている。

 

 

※民営化後の撮影

 

 

イメージ 20

 

 

・744-6904
新製配置は京都、その後東京に移り民営化を迎える。このロットで唯一
東京自営に残存した車。民営化後もしばらくは東名高速線で活躍を続けた。
最後は水戸の所属となり、常磐高速線の予備車などに使われたようである。
観光バスとしても充分通用するグレードだったが、貸切に転用されることはなく、
廃車まで高速路線専用車として生涯を全うした。
これは高速路線専用として開発された、7型特有の性格によるものである。
7型は高速での加速と巡航を重視しており、ミッションも変速操作が少ない5速仕様。
一般の観光バスの2速に相当するギア比を1速にあてているため、
山岳路の急勾配などで停車すると再発進ができないのである。現代の高速バス
車両とは異なる、特異なバスだったことを改めて知るエピソードである。

 

 

※民営化後の撮影

 

 

744-6904 三菱MS735S (富士重) 東京自動車営業所

 

 

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東名高速を疾走する、国鉄専用形式744形。
7型開発当時は国産乗用車の性能も発展途上にあり、高速道路上では大衆乗用車より
7型高速車のほうがずっと俊足で、楽々追い越せるほどだったと言われる。
東名・名神高速線専用車は、とても速かった。追い越し車線を走る姿がよく似合う。

 

 

 

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次回は7型のうち日産ディーゼル製の車両「748形」です。
国鉄の旅客用自動車について公開してきましたが、次回分で最後になります。