かのバッドマンの初期の宿敵として、かつては『緯度0大作戦』の敵役を務めたシーザ・ロメロが、また近年は御大ジャック・ニコルスンや惜しくも早逝したヒース・レジャーが演じ続けたジョーカーのスピンオフ、というかそれを遙かに凌ぐ一大主人公としてその生き様を描いた映画『ジョーカー』が大ヒット公開中らしい。

 

 「主人公だけでなくその相手役のキャラクターも掘り下げてこそ、深いドラマが出来上がる」なんてシナリオ学校の先生が言い出しそうだが、本作も確かに、主人公としてジョーカーの人となり、生き様を丁寧に描いて、何故彼が稀代の凶悪犯罪者になっていったかを作品のテーマにしたことが効を奏しているようだ。しかしながら、「悪役はただ凶悪で憎むべきキャラクターであるべき」という、映画・ドラマの中では常に“勧善懲悪”を好む私としては、こんな展開は望まない。最近で言えば、大々的に期待して楽しみに観ていた『女囚セブン』が、最後の最後で悪徳政治家(高嶋政伸)が実はかつて正義感の固まりのような政治家で、やむを得ず悪に魂を売った云々の“言い訳”の様な設定が登場して、すっかり興ざめしたものだった。それ故、ティムバートン版ではただただふてぶてしく憎らしい存在だった、だからこそ好きだったジョーカーが、どのようなキャラクターに変貌しているのか、ちょっぴり心配でもある(;^_^A

 

 

 さて、件のジョーカーの恋人という設定で『スーサイド・スクワッド』に登場したのが、これまた稀代の“憎めない”悪女ことハーレイ・クインだ。彼女のビジュアルがインパクト大のポスター・チラシに触れて、勇んで本作を(レンタルDVDで(;^_^A)観たんだけど、刑務所の極悪人たちで構成されたハリウッド版“独立愚連隊”の面々が、『地獄のバスターズ』よろしく得体の知れない悪と闘うという設定は素晴らしいものの、何となく暗くて(ブラックユーモア?)で、何とも収拾のつかない映画だったと記憶している。

 

 そんなハーレイ・クインが、『ジョーカー』の大ヒットも相まってか、再び脚光を浴びているようで、そのビジュアルをネット上でよく見かけるようになったんだけど、そこで彼女を演じた女優名がマーゴット・ロビーと知って、「あれれ」って思ってしまった。ああそうか、彼女って『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』でシャロン・テートを演じた子だったんだねΣ(゚д゚;)

 

 

 最近観賞した映画の中でも結構好印象を持っている『ワンス~』において、彼女が演じたシャロン・テート(敢えてここでは“悲劇のヒロイン”という冠はつけない!(;^_^A)は如何にもキュートで天真爛漫で、しかも60年代から飛び出したような、時代を感じさせるキャラクターに仕上がっていた。当初、この作品にシャロン・テートが登場すると知った時、いつかは訪れれうであろう悲劇の瞬間を戦々恐々としながら待っていた。またいづれ作品のレビューは書くけど、主人公のディカプリオの住む家の隣にポランスキー監督とテートの新婚夫婦が越してきたとう設定で、ディカプリオ演じる落ち目の西部劇スター・ダルトンが、事件に巻き込まれるか犯人に誤解されるか、”いずれかの展開になると思い、何だか陰鬱な思いで観ていたが、全く思いもよらなかった映画的結末が待っていたよΣ(゚д゚;)  それもまた本作が好きになった理由の一つだ。

 

 それにしても、ハーレイ・クインのジャジャ猫のような自由奔放さや、シャロン・テートのキュートな明るさを観ていると、この2本だけで決定づけてはいけないんだけれど、マーゴット・ロビーは実に天真爛漫なキャラクターが似合っているような気がしたね(;^_^A