本日、東京都は特定商取引法に関する法律に基づき、突然消費者宅を訪問し、貴金属等の買い取りに
ついての勧誘を行っていた事業者に対し、業務の改善を指示しました
【事業者の概要】
事業者名/㈱QUATTRO
屋号/アクティブ
所在地/東京都台東区上野
設立/平成26年2月14日
資本金/1.000万円
業務内容/貴金属の訪問購入
売上高/約20憶37百万円
従業員数/131名
【勧誘行為の特徴】
消費者から物品買取の要請がないにも関わらず、突然消費者宅を訪問する。
勧誘に先立って本来の目的は貴金属等の購入であるにも関わらず「不用品の買取をしています、今近所を回っていて不用品を引き取っています、不用品はありませんか?」等と貴金属の買取が目的で
あることを明らかにしていない。
その後、消費者が出した不用品の査定は簡単に済ませ「ネックレスや指輪等の貴金属はないですか?」等と貴金属の勧誘を始める。
消費者が「もう売るようなものはありません」等と断っているにも関わらず「もっと他にないですか、指輪をみせるだけでもいいから見せて」等と勧誘を続ける。
売買契約を締結した際に、契約の内容を明らかにする書面を消費者に渡しているが、買い取った
物品を特定できない等、記載に不備のあるものを渡している。
消費者から物品の引き渡しを受ける際に、クーリングオフ期間内は物品の引き渡しを拒絶できる
旨を告げていない。
【指示の内容】
訪問購入をしようとするときは、その勧誘に先立ってその相手方に対し購入業者の名称及び当該勧誘に係る物品の種類を明らかにすること。
訪問購入に係る売買契約の締結についての勧誘の要請をしていない者に対し、営業所等以外の
場所において当該売買契約の締結について勧誘をし、または勧誘を受ける意思の有無を確認しないこと。
訪問購入に係る売買契約を締結しない旨の意思を表示した者に対し、当該売買契約の締結について
勧誘をしないこと。
物品の売買契約を締結した際に、その相手方に交付する書面に購入する物品の特徴等、法令で
定められている記載事項について正しく記載すること。
訪問購入に係る売買契約の相手方からクーリングオフ期間内に直接物品の引き渡しを受けるときは
その売買契約の相手方に対し、クーリングオフ期間内は物品の引き渡しを拒絶する旨を告げること。
【指示の対象となる主な不適正取引行為】
<第58条の5氏名等不明示>
買取のための訪問の承諾を取り付けずに突然訪問し、勧誘に先立って本来の目的は貴金属等の
購入であるにも関わらず「不用品の買取をしています、今近所を回っていて不用品を引き取っています
不用品はありませんか?」等と告げて勧誘を行っており、購入業者の名称及び訪問購入に係る売買契約の締結についての勧誘に係る物品の種類を明らかにしていなかった。
<第58条の6第1項不招請勧誘>
買取のための訪問の承諾を取り付けずに突然訪問し「不用品の買取をしています、今近所を回っていて不用品を引き取っています、不用品はありませんか?」等と告げた後に「ネックレスや指輪等の貴金属はないですか?」等と切り出して貴金属の買取について勧誘を行っており、消費者が買取を要請しいない物品に対し、買取の勧誘を行っていた。
<第58条の6第3項再勧誘>
消費者宅を訪問した後、貴金属の買取等について勧誘し消費者が「もう売るような物はありません、他のアクセサリーは売りません」等と述べ、売買契約を締結しない旨の意思表示をしたのにも関わらず
引き続き当該売買契約の締結について勧誘を行っていた。
<第58条の8第2項契約書面の記載不備>
消費者宅において、本件契約を締結し代金を支払い、かつ物品の引き渡しを受けた際、本件契約の
内容を明らかにする書面を売買契約を相手方に交付しているが、当該書面は買い取った物品を特定
できない等、記載に不備があるものだった。
<第58条の9物品の引き渡しの拒絶に関する告知義務違反>
消費者からクーリングオフ期間内に直接物品の引き渡しを受けるときに、クーリングオフ期間内は
物品の引き渡しを拒絶できる旨を告げていなかった。
【今後の対応等】
指示の内容に対する業務改善措置について、平成29年11月30日までに都知事宛に報告させる。
指示に従わない場合は、特定商取引法第58条の13第1項の規定に基づき、業務停止命令を従う。
また同法第72条第74条の規定に基づき、行為者及び法人に対して100万円以下の罰金を科する手続きを行う。
【事例:1】
平成29年8月、とても暑い日で玄関のドアを乙は半分開けておいたのでドアの前に男性が立っているのが見えた。ドアを開けると訪問してきた当該事業者の営業員Cが「今近所を回っていて不用品を引き取っています、不用品はありませんか?」等と勧誘しティッシュとチラシを渡してきた。Cの会社や貴金属を買い取ることについては聞いていない、もしCの目的が貴金属の買取であることが分かっていればドアを開けることはなかった
Cはチラシに載っている宝石を入れるケースを指して「近所で指輪を入れるケースを引き取りました。
同じような箱はありませんか、こういう不用品はありませんか?」とチラシを見せながら言った。乙は
指輪のケースがいくつかあるのを思い出し「指輪のケースならいくつかあります」と言うと「それを買い取らせてもらいます」と言。った乙は指輪のケースだけ買い取ってもらおうと思い部屋から出してきた。Cに
見せると「こういうのでいいんです、他にもテレフォンカードはありませんか?」と言った。乙は「テレフォンカードはありません」Cは「もっと他にないですか、商品券はありませんか?」等としつこく言ってきた。乙は断ってもしつこく言われて何か出さないと帰ってもらえないと思い、要らない指輪とネックレスを部屋から出してきてCに見せると「そこで待っていて下さい」と言い数分後にCが戻ってきたときには、当該事業者の営業員Dもきた。
Dは黙って玄関に入ってきた。そして乙が出していた指輪とネックレスを見て「貴金属はないですか、高く値段がつくからいいよ」と言った。乙は「これ以上ありません」と断ったが、あまりにもしつこく勧誘してくるので不審に感じた。何度も断り続け、やり取りが20分くらい続いてようやくDは諦めた
(生活文化局抜粋)