鹿児島を代表する老舗ジャズ喫茶・門(もん) が、明日29日、44年の歴史に幕を閉じます。 店舗が鹿児島中央駅周辺の市街地再開発に引っかかったようです。
この情報を、一昨日、地元ジャズ愛好家でギタリストのM54さんのブログから知ったばかり。 今も軽い喪失感に襲われています。
 
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アナログレコード 「ブラック・コーヒー/ペギー・リー(vo)」 の上に、
「門」のマッチを添えたら、ジャケット写真に同化しました!
新星堂:SGD-12 (DECCA) MONO

紫煙のヤニでコーティングされた4000枚以上のレコードや、マイルス・ディビス、ジョン・コルトレーン等が飛び出したアルテックのスピーカーなどの音響機器は、市内某所に移管することが決まったそうです。サイホンでたてる珈琲が有名でしたが、あのサイホンの音も香りも移管できますか・・・
 
JR鹿児島中央駅東口を降り、路面電車通りを右に曲がってすぐ、南国気分を演出する植栽に囲まれた円柱の建物1階・2階に「門」 が待っていました。
 
以前、叔父が天文館近くの山之口通りと、その後に中町で、居酒屋「明るい農村」 をしていたので、よく鹿児島へ遊びに行きました。
 30年前は、福岡・鹿児島間300キロを 原付スクーターで1日かけて走ったこともあります。
 
市の美術館や駅裏の長島美術館はもちろんでしたが、「門」と、下荒田の珈琲紅茶「南蛮」 は喫茶店巡礼の旅で寄らせていただきました。門も南蛮も、初めてドアを開けた時の感動は忘れられません。

ここ数年、鹿児島行きは時間もないのでJR利用となりましたが、鹿児島に寄った帰りは、駅のすぐ横の「門」で博多行き電車の待ち時間に一服、深呼吸するのが習わしとなっていました。
 
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 鹿児島市の喫茶店と言ったら
門と南蛮が聖地でした。 
そこのマッチ箱です。
ちなみに、わたくし二十歳で
タバコを止めたので、マッチ箱は記念品です
 
2階は金曜の夜のみ開くジャズバーになっており、階段を上がると、そこは天国の門。 地元常連客の、意外と優しく穏やかな鹿児島弁とジャズを肴に、異邦人として沈潜していました。
 
最近は店内で話ができないからジャズの音を小さくしてくれと言う若者客もいたようです。オカド違い、お門(かど)違いでしたね。 ジャズ演奏家の方も、ベジタリアンや禁煙家が増えたようなので、何とも言えませんが。 ジャズ喫茶受難の時代です。
 
「門」 の名物マスターは、常連客からモンスターと呼ばれていたとか。 わたしなら、‟鹿児島ジャズの父”として、モンチッチと呼びますね。
 
その「門」 も明日が最後です。
 
 
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LP「コーヒー・シガレッツ&メモリーズ/
ジェリ・サザーン(vo)」 の上にも「門」のマッチを添えました。
東芝EMI:TOJJ-6008
 (ROULETTE) MONO
 
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「鹿児島中央駅」以前の、
「西鹿児島駅」時代の門のマッチ箱です。
 
レコードは新星堂:SGD-12 
(DECCA) MONO
 
 
ジャズ喫茶・門 
 
多くの想い出を
ありがとうございました。