建築士事務所は高いのか?(1) | 家づくりのススメ

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建築士事務所の報酬は高いのか?




建築士事務所が住宅を設計する時

日給換算の人件費と経費で見積する場合もありますが

工事費の~%という見積をする事もあります。

(住建築LABOの住宅設計の見積は~%ではなく

住宅設計の基本金額+αという形にしています。)



工事費からの見積だと10%~15%くらいの所が多いようです。

2000万の住宅で200~300万となります。

かかる費用として確認申請と完了検査の費用は

民間の機関を使っても10万弱、2階建ての戸建だと

構造計算も必要ないので構造計算費用も0のことがほとんどです。

あとは人件費と経費ということになります。



住宅は計画から竣工までとなると1年くらいのお付き合いです。

その間、打ち合わせや製図や監理、現場検査など

人件費や経費はかなりな量になるものです。

まして、オーダーメードで設計すれば時間もかかるものです。

ではこの金額は本当に高いのか?









①工務店に注文した時と比べて



どんな工務店も自社か外注で設計(確認申請や施工図、監理)を行なっています。

特徴は現場のやりやすい方法で設計する事で施工図を減らし、部材は以前の実績などを重視します。

また、現場管理と設計監理を一緒に行なうことで設計の外注費用はぐんと抑えられるので

先の設計事務所の報酬金額の半分以下の所がほとんどです。



まず外注先の設計事務所はどうしてその費用でできるのか?を考えると

とにかく手数を減らし、手間を省き、数をこなす事でカバーします

それ自体は企業努力ですから、決して悪い事ではありませんが

外注として数が増えると、いい家をつくるという使命感よりも

早く確認済証を、手数の少ない方法で、という違う方向の企業努力に向かってしまいます。


企業努力は消費者にメリットを生んで、更なる受注を増やす事が基本ですが

消費者にデメリットがなく、企業の収益を良くするというのも一つの方法です。

しかし住宅のように同じ施主が何度も注文する機会の少ない分野では

前者の企業努力より、後者の企業努力が多くなりがちです。




そうした企業努力は時として

手間のかかる設計をしない・・・

自社で薦めるメーカーの設備以外を使いたがらない・・・

自社の施工品質を低下させるため施工に手間のかかる設計はしない・・・

実績のないものは紹介しないし薦めない・・・

といった形で消費者にはね返ってきます。

設計の質の違いはこうした所から生まれるのです。



そもそも設計事務所に依頼しても工務店に依頼しても

施工するのは工務店な訳ですから

設計事務所は設計するところで、工事するのは工務店)

出来上がるもののは本来違いはないものです

しかし設計する人によって全然違うものになる。

質の違いになって現れます。



また、この方法の非常に重要な点として

施工会社から依頼を受けた設計は

その会社に不利益を出す設計はしないということです。

言ってみればこの場合、建築主はもちろん施工会社もお客様なのですから。



その二つのお客様の意見が違ったら・・・

どちらに有利な設計をするかはその設計者次第ですが

どちらのお客さんの方が厳しい質問をし、追求するかは明白です。

専門知識を持った工務店と、一般の人のどちらの意見を諦めてもらう方が簡単か?

そこで先の手間を減らすという根本を合わせて考えると

残念な結果になるというのが現実なのです。




一般的に工事の見積に対し、利益の多さでいうと

1・自社社員(職人含む)の人件費

2・仕入れる設備機器の利益

3・直接工事に関わる外注先の工事費

4・設計などの間接的にかかるものへの経費

となります。



こうしたものをすべて含めて平均した

一棟あたりの利益率は10%台から40%台まで工務店によって様々です。


人件費はもちろんすべて利益です。

(ここでは会社としての利益というより、一棟あたりの利益として)

仕入れる設備機器は多いものでは60%台というものもあります。

外注先の工事費は30%を越えることはあまりありません。

設計などの間接経費に関しては20%もないのが多いと思います。

そして、外注の設計事務所に支払われる金額には

必ず工務店の経費が上乗せされます。

これはお金が右から左に動く時の普遍の原理です。

また、工務店が薦めたメーカーの商品は

工務店にとって利益率の高い商品であることが通常なので

ここでも利益が生まれます。


色々な所からトータルで利益を生み出す構造となっているのです。



仮に20%の利益を目指す工務店だったとして

2000万のうち400万は利益となります。

ここで設計と監理にかける費用は100~150万くらいでしょうか。

しかしこれは400万の利益から払うのではなく

1600万の原価の一部ということになります。

400万はあくまでも自社の社員や職人の人件費、間接経費になります。

自社設計だとその割合はもっと減るでしょう。


ここで先述した建築士事務所の設計費の目安である10~15%ですが

2000万の住宅として、200万~300万は原価部分と利益部分

(自社設計)に分割されて見込まれています。

設計費として出てくる金額のほかに

施工管理者が兼ねてしまう業務や、商品を絞る事でのコストダウンが

400万の利益に含まれるためです。

ここまで書くとお気づきになるとおり

実質的には工務店でも10%以上の設計費を計上しているのです



もう一つ、大きな心配事として万一施工に不具合があった時。

施工に関する不具合は施工会社の責任です。

契約どおり、支払う金銭と施工したものは対等でなければなりません。

しかし施工したものの品質がその金銭と対等であるのかを誰が判断するのでしょう?

施工会社に「この施工はこの金額に適正ですか?」と聞いたら

「そうです。」のひと言で終わりでしょう。

これは聞く人を間違えています。




そういうために施工と設計は分けて存在するべきなのです。

設計施工の会社であれば、第三者機関を使うべきなのです。



設計事務所はそのために別で存在するのだと思います。









一口に工務店と言っても様々な工務店があるので
良心的な工務店がほとんどなのですが
現実として日常的に起こる施工不良は現実です。

そして、建築士事務所と工務店での設計の質の違いは明白です。





それでも建築士事務所は高いのか?





それは建築士事務所が高いのではなく

設計と監理が分離されたにも関わらず

利益の絶対額を下げようとしない工務店が高いのです













建築士事務所は高いのか?(2) に つづく