2008年3月、友達から「九段下のビルでイベントがあるので来ない?」と誘われ、東京メトロ神保町駅を出ました。
神保町駅近くにある「九段下ビル」です。(通行人のお
顔は画像処理させていただきました))脇や裏では工事
の囲いがあって、一部解体も始まっていました。
これまで、本やサイトで見たことはありましたが、実際に訪ねたのは初めてでした。そしてビルに近づくと、辛い現実を目の当たりにしました。管理が行き届かないのか、老朽化がひどくビル全体が防護ネットで覆われていました。さらに、脇や裏では工事の囲いが設置され、一部解体されたような部分もありました。この日は3階の展示スペースと、1階の画家さんのお部屋が特別に公開されていました。
ネットで覆われてはいましたが、昭和初期の旧き良きデ
ザインを間近で見ることができ嬉しかったです。
館内は建設当時の内装が保たれていて、希少な木製サッシも現存していました。
鉄筋コンクリートのビルでは希少になった、木製窓枠
が健在でした。
しかし、3階テラスのコンクリートは角が落ち、廊下の天井は穴が開いて雨漏りしている痛々しい姿に胸が痛くなり、1階の喫茶店でお茶をしながら、戦災、地上げを乗り越えてきた建物に心の中で「ありがとう」と言い続けていました。そしてもう一度、階段の手すりや壁をなでながら、「出会えて感謝します。いつまでも忘れないよ!」と言って、メトロ駅に向かいました。
その後、解体されてしまったと思っていましたら、先ほどテレビでこのビルが映っていました。イベントの時の画家さんも、まだ住んでおられるようです。でも、雨漏りその他老朽化が心配でした。
ウイキペディアによりますと、正式名は「今川小路共同建築」といい、1927年竣工だそうです。そして、関東大震災の復興建築で、商業施設兼用住宅として実現したのは、このビルだけだったそうです。
権利関係が複雑で建て替えが進まないとテレビで言っていましたが、唯一の共同復興複合建築として、歴史的にも貴重だと思います。震災復興を今に伝え、後世に伝えるためにも修復・保存して有効活用をと、テレビを見ながら願いました。