目標を達成しよう!
ISO規格要求事項4項,5項,6項の具体的構築事例 その①
ISOを構築するときに、具体的にはどのような手順書や様式・帳票が必要になるのかを事例で説明します。
ISOの規格が何を要求しているのかについては、紫藍歌(アイウタ)さんの「中学生でも分かるシリーズ」をYouTubeで視聴してください。
今回は、4項、5項。6項の流れから、目標設定を行い、目標を達成しましょう。
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目次
1.シンプルシステムの具体例
a)私たちの課題
b)お客様・従業員・業者などが望むこと
c)目的と範囲
d)組織全体の業務の流れ
e)リーダーシップ
f)方針
g)役割分担
h)リスクと機会
i)リスクアセスメント
j)法規制を守るためのルール
k)目標設定
l)変更の計画
2.レベルアップのためのヒント
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前半は、とてもシンプルに構築する場合の事例を紹介します。
ISOの4項、5項、6項で何を準備しないといけないのかがわかります。
また、ISOでは求められていませんが、実際の審査では必要になる裏情報もお伝えします。
後半は、一歩レベルアップするための事例を、成功例も含めて紹介します。
a)私たちの課題
『4.1項 組織及びその状況の理解』
“文書化した情報”という文言(もんごん)が無いので、文書にする必要はありません。
「規模の小さな組織では、課題は社長の頭の中にりますよね」とも言えます。
ここで求められるのは、私たちの会社はどのような状態であるかを内部の課題、
外部の課題として明確にしなさいというものです。
良い機会なので、文書にまとめてみたらいかがでしょうか。
大きな規模の組織は経営戦略の担当者がいて、分析、評価して文書にまとめます。
小さな組織はなおさらのこと、自分たちの立ち位置を明確にしないといけません。
私たちの強み・弱み・好機・脅威はどのようなものがあるのかをまとめるために、
図のようなSWOT分析(スワットぶんせき)という簡単なやり方があります。
SWOT分析とBSC(バランススコアカード)を合体してみましたが、
色々な応用ができますのでお勧めです。
「2.レベルアップのためのヒント」を参考にしてください。
課題は、6.1リスクと機会を検討するときに考慮する材料として活用してください。
b)お客様・従業員・業者などが望むこと
『4.2項 利害関係者のニーズ及び期待の理解』
“文書化した情報”という文言(もんごん)が無いので、文書にする必要はありません。
しかし、この機会に、お客様・従業員・業者・監督官庁などが「こうして欲しい」「こうしてくれないと困る」といったニーズや、「こうしてくれたら嬉しい」「こうしてくれたらもっとファンになるのだけど」といった期待を文書にまとめてみたらいかがでしょうか。
図のようなまとめ方もあります。できるだけ具体的にまとめてください。
例えば、お客様の〇✖商事さまのニーズと期待といったようなことです。
ニーズと期待は、6.1リスクと機会を検討するときに考慮する材料として活用してください。
お客様だけでなく、従業員のニーズや期待についても検討します。
経営者や幹部または上司との面接などから聞き取りを行い、従業員のニーズや期待をまとめます。
アンケートをとることも一つの方法かもしれません。図を参照してください。
方法は色々あるでしょうが、共に働く人々のニーズや期待が経営層まで届けられ、
仕組みの中で、その声が改善につながり、より良い職場づくりにつながることは、とても重要なことです。
c)目的と範囲
『4.3項 マネジメントシステムの適用範囲の決定』
構築する仕組みの対象を明確にします。このことを適用範囲と言いますが、
対象する①製品、サービス、②組織、従業員、③場所、境界などを文書化してください。
適用範囲を決める時には、a)私たちの課題(4.1項)とb)お客様・従業員・業者などが望むこと(4.2項)及び、どのような製品を扱っているのか、サービスを提供しているのかを検討します。
ISO規格要求事項の中で、私たちの組織には適さない項目については、なぜそれが適していないのかの正当性を明記してください。
このことを適用除外と言いますが、正当性については専門家の意見を聞いてくださいね。
例えば、食品安全マネジメントシステム ISO22000では、生産工場などの場所の明確化が求められます。
境界図や配置図にて、適用する範囲をはっきりさせます。
図のように、境界や配置に関連して、食品ハザードを評価すると課題が見えてきます。
情報セキュリティマネジメントシステム ISO27001では、付属書AA.11物理的及び環境的セキュリティに境界の明確化があります。
d)組織全体の業務の流れ
『4.4項 マネジメントシステム』
マネジメントシステムの全体を総括している項です。
図のように、構築する仕組みの全体像を図式化してみると理解が進みます。
プロセスの相互の関連性、つながりがわかります。
掲載しました文書類は次のURLよりダウンロードできます。
ISO.net のホームページをご覧ください。







