「愛と誓ひ」のあらすじ | 「日韓次世代映画祭」「下川正晴研究室」「大分まちなかTV」ブログ

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下川正晴(大分県立芸術文化短大教授、shimokawa502@gmail.com 携帯電話090-9796-1720、元毎日新聞論説委員、ソウル支局長)。日韓次世代映画祭は2008年開始。「大分まちなかTV」は、学生と商店街のコラボ放送局です。

第3回日韓次世代交流映画祭3月20日に九州大学大橋キャンパスで上映する朝鮮人特攻隊をテーマにした映画「愛と誓ひ」(1945年)のあらすじを、掲載しておきます。

第3回日韓次世代交流映画祭筆者は昨年末、出版された新潮新書「朝鮮人特攻隊」の著者、ペ・ヨンホンさんです。2月初め、韓国映像資料院(ソウル)で、この映画を見てきてもらいました。3月20日の上映会では、ペ・ヨンホンさんに取材報告もしてもらうつもりです。

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第3回日韓次世代交流映画祭「愛と誓ひ」 1時間14分
後援:海軍省 朝鮮総督府
指導:大本営海軍報道部
製作:社団法人 朝鮮映画社
応援:東宝株式会社
昭和二十年五月製作


   <あらすじ>

第3回日韓次世代交流映画祭海軍の村井信一郎少尉が「京城新報」社の白石局長を訪ねる場面から物語は始まる。

第3回日韓次世代交流映画祭村井少尉は海軍の神風特別攻撃隊員として出撃が決まっていた朝鮮出身のエリート士官。恩師でもある白石局長に最後の別れを告げにきたのだった。

第3回日韓次世代交流映画祭第3回日韓次世代交流映画祭新聞社の屋上で、白石局長が遺影になる村井少尉の写真を撮ろうとすると、局長が自宅で養っている金英龍という名の浮浪児が現れた。英龍は憧れの村井少尉と並んで写真を撮ってもらうことになる。

第3回日韓次世代交流映画祭第3回日韓次世代交流映画祭村井少尉の特攻機が敵艦隊に体当たり攻撃をしかけ、空母を爆発炎上させる場面は特撮で再現された。




第3回日韓次世代交流映画祭京城新報はその戦果を「半島の神鷲 村井信一郎少尉命中」と大々的に報じ、白石局長の撮った写真も大きく掲載された。白石局長にわが子同然に育てられていた英龍少年は、英雄となった村井少尉への憧れを次第に強めていく。

第3回日韓次世代交流映画祭村井家は京城から三里離れた村にある両班の家柄だった。

第3回日韓次世代交流映画祭父は小学校の校長先生で、村井少尉の未亡人も一緒に暮らしている。白石局長夫妻は村井少尉の遺影を持参し、村井家を弔問に訪れることになった。

第3回日韓次世代交流映画祭ところが、写真を見ていた未亡人は、少尉と一緒に写っている英龍少年に興味を抱き始める。

第3回日韓次世代交流映画祭上海事変で生き別れになった「エイキュー」という名の弟の面影に似ていたからだ。



第3回日韓次世代交流映画祭いかにも物足りない感じがする英龍。その英龍が、弔問から戻った白石局長に、村井少尉の家庭を訪問して記事を書くように命じられる。浮浪児だった彼にとり、生まれて初めて経験する大仕事である。

第3回日韓次世代交流映画祭取材に現れた英龍を見た村井未亡人は、ひょっとすると生き別れた弟ではないかと思い、彼に身の上話をする。二人に接点は見いだせなかったが、英龍は、その弟であるならいいのにと願うようになる。村井少尉の弟になりたかったのだ。

第3回日韓次世代交流映画祭第3回日韓次世代交流映画祭その夜、軍に志願した村の若者のために、盛大な壮行会が開かれた。朝鮮の民謡が歌われ、若者は村の誰からも祝福された。




第3回日韓次世代交流映画祭第3回日韓次世代交流映画祭翌朝、その若者が軍へ入営するために乗るはずのバスが動かない。京城までゆくガソリンがなくなっていたのだ。入営が遅れたら一大事。若者は京城まで走ることになり、村民は一丸となって彼を見送った。





第3回日韓次世代交流映画祭その中で英龍だけが憂鬱な表情をしていた。未亡人が問いただすと、ガソリンを捨てたのは自分だと白状した。若者が乗るバスは英龍も乗るはずだったのだが、どうしても京城に帰りたくなかったのだ。村井少尉の弟になりたいという思いからだった。それを聞いた未亡人は英龍をきつく叱り、彼は自分の犯した過ちを思い知ることになる。

第3回日韓次世代交流映画祭京城に帰った英龍は、その事件が頭から離れず、なかなか記事を書けない。むしゃくしゃして家を飛び出し、白石局長に怒られるのだが、すでに書きあげていた原稿は決して悪くなかった。

第3回日韓次世代交流映画祭第3回日韓次世代交流映画祭新聞に載った記事は評判がよく、白石局長は英龍を記者見習いにすることに決めていた。ところが、英龍はその誘いを断ってしまう。親同然の白石局長に、「村井少尉のあとに続きたいんです」と告げ、海軍へ志願するのである。

第3回日韓次世代交流映画祭第3回日韓次世代交流映画祭
英龍が慶尚南道の鎮海にある海兵団に入営する場面がラストーシーンとなっている。

第3回日韓次世代交流映画祭第3回日韓次世代交流映画祭第3回日韓次世代交流映画祭監督:今井正 崔寅奎
キャスト:
白石局長   高田稔
白石局長夫人 竹久千恵子
村井未亡人  金信哉
村井少尉の父 志村喬