タクシー会社からの電話が鳴った。
「JJさん。ご迷惑お掛けしております。領収書の車番の運転手、確かに非番でしたが、やっとこさ連絡つきました。今日、その車には、”非常勤の運転手Y”が、乗車しているらしいんです。」
非常勤というのは、自分で車をもっていない運転手のことで、通常タクシー会社から車を借りるらしい。
今回の”非常勤運転手Yさん”は、高齢なので毎日勤務ではなく、2~3日に1日程度の割合で乗務しており、今日はたまたま、領収書の車番の人が非番だったので、その車を借りて走っていたらしい。
タクシー会社の担当からの説明を聞いて、やっと状況が理解できた。どうやら幽霊タクシーに乗ったわけではないらしい、が、肝心の情報は?
「それで、非常勤運転手Yさんの行方は、わかったんでしょうか?」
「申し訳ありません。実は、その車には無線が設置されてなくて、非常勤運転所Yさんは、高齢で携帯電話をもっておらず、連絡がとれない状況なんです。」
え?無線が、設置されていない?
タクシーなんて全車に無線設備設置なんじゃないの?
どうやって、”非常勤運転手Yさん”のタクシーと連絡とるんだ!次の飛行機の時間が、近づいてくる。じわりと汗をかいてきた。