本日からスタートした、3ヶ月ワークショップ・アドバンス。
これまで、井上ひさし作『父と暮せば』や、シェイクスピア作『マクベス』といった舞台戯曲を題材にしてきましたが。
今回のテーマは「映画」。
映画とはそもそも、映像で物語る芸術。
だから、映画台本(シナリオ)は、こうして実際に取り扱ってみると、会話で物語る“戯曲”(舞台台本)とは感触がずいぶん違います。
受講生の皆さんには、これからの3ヶ月、複数の映画作品に触れていただこうと思っています。
そんな中で、まず取り上げているのは、以下の2作品。
テレビドラマから映画版が誕生した「セックス・アンド・ザ・シティ」(2008)と、アカデミー作品賞を受賞した大人気ミュージカル映画「シカゴ」(2002)です。
▲「セックス・アンド・ザ・シティ」。
恋とブランドに燃える、40代女性の愉快でちょっとロマンチックなコメディです。
現在、ドラマ版の新シリーズの制作が進んでいるものの、主人公キャリー役のサラ・ジェシカ・パーカーさんと、サマンサ役のキム・キャトラルさんの仲が悪いため、4人が集まることはもうなさそうです……(キム・キャトラルさん、降板〜!)
▲「シカゴ」。
とりあえず、ヴェルマ役のキャサリン・ゼタ=ジョーンズがセクシーすぎ、ロキシー役のレニー・ゼルウィガーがかわいすぎ(笑)
ちなみに、舞台版では2人が主人公でしたが、映画版はロキシーが単独で主人公、ヴェルマはやや脇役になっています。
……舞台だろうと、映画だろうと。
役の状況をしっかり把握していないと、演じられません。
そんな中。
「セックス・アンド・ザ・シティ」は、状況だけ押さえておけば比較的演技しやすいのですけれど。
実は、「シカゴ」は作品自体がある程度深く読み込めていないと、演じるのが非常に難しい、というのが、僕の個人的な印象です。
参考までに……
以前、僕はあるミュージカル学校の公演のゲストで「シカゴ」の舞台に出演させていただいたことがあり。
(弁護士ビリー・フリン役でした。映画ではリチャード・ギアが演じていましたね。)
その時に当ブログ内で「シカゴ」の作品解説をアップしていましたので、よろしければぜひ読んでみてください。
ちなみに、思いっきりネタバレしてますのでご注意ください!!
<『シカゴ』関連記事>
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ミュージカル『シカゴ』……自由。それは、誰かが用意した「正解」にハマらずに、自分を認めること。
……以上、直接関連している記事は、この10記事でしょうかね。
書いたのは、2019年の夏。
実は当時、いろいろ道に迷っていた頃だったので……いま文章を読み返してみると、ちょっと病んでるっぽい感じもしますけども(汗)
ただ、これを読んでいただけると、おおよそ『シカゴ』という作品が持っている奥深さがご理解いただけると思いますし、これだけの分析をしている記事やサイトは、今のところ、僕は見つけておりません。
手前味噌で申し訳ありませんが(笑)、この『シカゴ』分析は、今の自分が読んでもなかなか面白い……!!
映画ファンや、演技の勉強をされている方のみならず。
ミュージカル・ファンの方にも、名曲「Cell Block Tango」の解釈や、同時期にブロードウェイで公開された『コーラスライン』との比較は、なかなか興味深い考察になっているんじゃないでしょうか。
近々、もう一度きちんと見直して、YouTubeの「ミュージカル探偵社」で改めて解説をしてみようかな、なんて思ってます。
3ヶ月ワークショップ、今期のアドバンス・クラスでは。
今後、受講生からもやりたい映画の台本をチョイスしていただく予定。
皆さんからどんな映画が候補に挙がるか、楽しみです!!
▲映画館が、僕を育ててくれました。
世界一大好きな場所のひとつです。




