縁の綱 | よいよの日

よいよの日

今日はよいよやったね~
一日の終わりにつぶやく言葉。
いろんな「よいよ」があって、今日もしあわせ。

春はいつ 傘に降らるる雪よりも~
と始まる歌詞でおわかりのように有名な「雪」と同じように
傘を持って舞いますが、雪と決定的に違うのは、
 
まず主人公の年齢。
雪は、年をとって、今はもう新しい恋に出会うことのない女の、
とっくに消えたはずの女の情念が体の奥に小さな火種を残している。
そんな曲ですが、
「縁の綱」は女ざかりにさしかかる、若い女の命と恋心を舞います。
と一般的に言われていますが、
私は、「雪」を支配しているのは、諦観と死だと解釈しています。
雪はどこまでも冷たく、ひっそりと死を暗示している、
でもその中でも、というよりその雪のなかだからこそ、
老いた女のかすかな情念の激しさが際立って浮かび上がる。
 
かたや「縁の綱」は、恋の行方に心さまよいながら、最後は縁結びの出雲の神様に
恋の成就を祈っておわります。
恋、真っ最中。ピチピチッ
しかもこの恋が上手くいかなくても次の恋がすぐに生まれそうな。
女の生を満喫している若い女。
 
縁の綱の画像をさがしたのですが、ここに出しても問題なさそうなものがみつかりませんでしたので。
とりあえず私の「雪」
舞手は十分に年老いていますが、雪のぞっとするような諦観が表現できていません。ダメダメです。
 
私も前にいたお流派で「縁の綱」教わったのですが、仕上げる前に挫折して
投げてしまいました。なぜ?
当時、大学4年生の男性と同時に「縁の綱」を教わっていたのですが、
この子の舞の色香がそれは大変なもので、当時50代の私がどう色気をひねり出しても
月とスッポン、マスクメロンと干し柿、タラバガニとカニカマ・・・・
もうすっかり嫌になって当時の先生に、この演目やめます、と申し上げたところ
「そうね、女がどう頑張っても女形の色香にはかなわないものね」と言われました。(悲)
彼は三越劇場で舞妓姿で「縁の綱」を披露し、私はその圧倒的な初々しい色香に打ちのめされ、
やっぱりやらなくてよかった!と思いました。
 
ところで、「縁の綱」を舞うと、縁づいて結婚できるという神話が有名ですが
ちょっと違います!
長いので省略しましたが、歌詞の中にも書かれているように若い女の恋の相手は
恋人というより、旦那にしたいお金持ちのお客さんで、
客をあやつる芸子の手練手管と、身請けしようとする客の駆け引きが描かれています。
ですから、恋がみのっても正妻にはなれません。
でも、この曲を舞うと、いい客に身請けされることで有名なのでそうです。
私の周りでも、これを舞って結婚相手に巡り合いゴールインした方は一人もいらっしゃいません。
残念!
でも舞は素敵なのでお楽しみに。