学力を考える | 自習室.comのブログ

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今回は「学力」について考えてみました。平成24年度全国学力・学習状況調査によると、全国の公立中学校の全国学力テストベスト5は、一位 秋田県と福井県、三位 富山県、四位 石川県、五位 岐阜県でした。逆にワースト5は、一位 沖縄県、二位 高知県、三位 大阪府、四位 福岡県、五位 鹿児島県でした。

この結果について文科省の依頼により早稲田大学が調査したのですが、秋田県と北陸の学力が高い理由について次のように見解をまとめています。①厳しい自然環境を生き抜く風土②素直でまじめな生徒③良質な家庭環境④教員の質の高さ⑤学校以外の組織団体の働きかけ、などです。

一方、大学進学率をみると、一位 京都府、二位 東京都、三位 広島県、四位 神奈川県、五位 兵庫県、となります(文科省出典「平成21年学校基本調査」)。逆にワースト5は、一位 沖縄県、二位 岩手県、三位 北海道、四位 鹿児島県、五位 熊本県、でした。このように、大学進学率は大都市が上位を占めています。先述した中学校の学力テストでは上位に大都市が含まれていないことを考えると、中学校時代の学力と大学進学率は比例していないことになります。

この調査には注釈がつくのですが、それは中学校の学力テストは全国の公立中学校だけで実施されているのに対して、大学進学率は私立高校も含めた「高校を卒業、または同等の課程を修了した者」になりますので、そもそもの前提条件が違います。また、大都市には中高一貫の私立が多いのに対して、秋田県や北陸は公立が主です。

ただそれらを差し引いても、なぜ秋田県や北陸の公立中学校の学力は高いのかを考えることは意味があると思います。それと同時に、大都市の中高一貫校の大学進学率の高さが、大学生の学力低下を招いているのではないかという側面も考える必要があると思います。

余談ですが、文科省出典「平成22年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果 小学生」によると、一位 福井県、二位 秋田県、三位 新潟県、四位 千葉県、五位 茨城県、でした。小学生の体力でも秋田県と北陸が上位を占めています。逆にワースト5は、一位 大阪府、二位 神奈川県、三位 奈良県、四位 滋賀県、五位 福岡県、でした。この調査結果をみると、学力と体力には何らかの相関関係があるのかもしれません。