千一の市議会質疑を光くんが詳しく解説 | “寝たきり界の鎌倉殿”重度障害ある鎌倉千一と千光のブログ

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鎌倉市議会議員を6期連続24年で務める。とうとう脳と内臓以外動かなくなってきましたが、千光と共に誰もが住みやすい鎌倉を目指し命あるまで闘います。取材申込み、情報提供も歓迎です。
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千一の2月定例会一般質問の詳細と解説を3回に分けてお伝えします。

1.なぜ議会を無視して市役所庁舎を替えることを宣言したのか

千一
これが最後の一般質問になってしまいました。
これからは 6 期 24 年の私がやってきたことを生かし、皆さんで考えていただければ幸いです。
では最後の一般質問をいたします。

1、なぜ 市議会を無視して市役所を移転することを宣言したのか。
何年か前に「広報かまくら」に「市役所庁舎の位置が変わります」と書かれていました。
「議会の同意を得られたならば」とか一言付け加えるのが、議会に対する礼儀だと思います。
うちに来てくださる鎌倉市民の方は、今度市役所が変わるのですかと、聞いてきます。
それに対して、まだ分からないのですよと、答えています。

広報かまくらに何年か前に書いてあった内容は、一般の方から見れば決定事項に見る方が多いと思います。
なぜこういう書き方をしたのですか、いかがでしょうか?

市長
まず議会を無視して市庁舎を変えることを宣言したのかということについてです。
市庁舎の移転に関しましては、その方針を決定するまでに公共施設、計画の策定や移転整備の方針を示した本庁舎整備方針の策定、公的不動産利活用推進方針の作成など、
段階的に取り組みを進める市の方針を、市民の皆様にも分かりやすくお知らせしようとしたものです。

一方ご指摘いただきました、一般の方から見れば決定事項に見えるという点につきましては、
その後の広報活動で誤解が生じないよう努めてきたところでございます。

今後の広報活動におきましても、決定した事項や今後検討を要する事項等について、より分かりやすく誤解のない表現でしっかりとお伝えをして参りたいと考えております。

千一

1、市役所を変えるには、議会の 2/3 以上の賛成が必要です。

この同意を得てから広報かまくらに載せるのが順当なやり方だと思います。なぜこのようなやり方をやらないで、鎌倉市の考えだけでこういうやり方をしたのか不思議です。

ですからなかなか決定できないのだと思います。

しっかり決定してから広報かまくらで宣言すべきことだと思います。

いかがですか





市長

本庁者の移転に関しましては、様々な計画を段階的に策定しまして、市議会議員の皆様に対して、取り組み状況を伝えるとともに、平成 30 年 4 月の全員協議会で報告した市の方針を多くの方々にも分かりやすくお知らせをしたものです。

このにつきましては、各方面からのご意見をいただきましたので、その後の広報活動で誤解が生じないように努めてきたところです。

位置条例の改正を実現するためには、より的確な広報活動を継続的に実施していく必要があるという風に考えてございます。



千  光    解説


残念だが答弁を真に受ける人はいないだろう。


鎌倉市は本庁舎を移転する計画を進めているが、地方自治法で定められた移転に必要な市議会での特別議決3分の2以上の同意を得られていない。


事の発端は2018年5月の「広報かまくら」に第1面トップ大見出しで「本庁舎は深沢整備事業用地に移転します」と大見出しで発表したことだ。

これには驚いた市民は多く、住民投票運動へと繋がった。


市は全市議が出席する「全員協議会で報告した」と議員には事前に報告していたとしているが、すでに移転が決まったかのように広報されるとは誰も思っていなかっただろう。


あれから7年。無駄に年月だけが過ぎていった。

市が市民や議員に本格的に理解を求めるようになったのは、一昨年辺りからようやくだ。

その頃新聞には「議会との駆け引きが続いている」出ていたが、誰がだれと?と不思議に思っていた。

千一についていえば市からの説明はずっとなく、3年前だったか副市長からお話があったのが初めてと記憶している。


そのような状況の中、市議会は2022年に移転に必要な位置条例を否決したのは、当然と言えば当然といえる。


一方、建設から50年以上たった現庁舎は、エレベーターが小さい、議会傍聴席へ向かうには狭くて急で長い階段があるなど問題もある。職員ロッカーもコートが収まりきれないほど狭く、決してよい環境にあるとはいえない。

少なくとも早急な改修工事が必要だ。


移転予定地にしても埋蔵文化財があるなど難題が山積している。


最寄りの湘南モノレール湘南深沢駅はエレベーターを設置することが2019年に決まっているが、未だに着工出来ていない。

ボーリング調査の結果、地盤が想定以上に軟弱なことがわかっている。

市内でバリアフリーでない駅はここだけ。

多くの市民が苦労しているだけに事態は深刻だ。


にもかかわらず、市民間、議員間、市民と議員の間での対話も不足している。


4月の市議会改選で、賛成反対議員の構成が大きく変わる可能性がある。

議会の構成比だけで「はい、終わり」となるのだろうか。


自分と立場や地域が異なる人の意見をよく聴くことがあって然るべきだ。

千一についていえば、ごく数人の方と以外、議論をする機会も聴く機会もなかった。

賛否を決める以前の問題だ。


市は情報をもっと出し、市民間、議員間、市民と議員が、腹蔵なく真に対話に対話に重ねて欲しい。本当の解決とはそういうものだ。


【千光】




千一が指摘した2018年5月の市報